2009年4月12日薬煎院薬局から

今日のお話は小さいお子さんというよりは、小学校から中学生ぐらいのお子さんを対象としたお話です。

😕
おねしょは夜尿症(小児夜尿症)とも言いますが、おねしょに効く薬があるのをご存じでしょうか。おしっこを止めるのですから体に悪影響があったり、副作用がありそうな感じがすると思いますが、別に危ないお薬ではありません。

😳
キッズプレイスの薬局にはいろいろな方が相談に来られますが、小学生や中学生をお子さんに持つお母さんが、子供のおねしょが治らなくて困っていると相談に来られることがあります。
不思議なことに一度同じような相談があると、立て続けに同じような相談が続くことがあります。少し前には、小学校高学年や中学生になると修学旅行があるので、お母さんが心配されてこれらる時がありました。

😯
さて、おねしょの薬ですが、漢方薬に「小建中湯」(しょうけんちゅうとう)というお薬があります。安全なお薬で「おねしょ」に効きます。またこのお薬はおねしょ以外に小さなお子さんの疳の虫(かんのむし)にも用いられます。

小建中湯はお腹を温める効果のある生薬が入っており、さらに麦芽糖が沢山入っています。比較的甘いので、お子さんにも飲みやすい漢方薬です。

🙄
なぜこの小建中湯がおねしょに効くかといいますと、大人でも冬寒い所にじっとしているとトイレ(おしっこ)に行きたくならないでしょうか。
実は人間にとって体が冷えることは、予想以上に非常事態なことであり、頭で考える意思に関係なくおしっこがしたくなります。

 ヒトは体が冷えると、自律神経が働いて、おしっこを体外に排出して必死で体温を保とうとします。
おしっこが体内に溜まっていると、不要と分かっていても体にとっては保温し続けなければならず余計なエネルギーを浪費することになります。このエネルギーの浪費をくいとめるために、いらないおしっこを体外に出そうとします。これが寝てる時に起これば「おねしょ」になります。
 つまり、寝ているときにお子さんの体が冷えると(または冷えやすい体質の場合)、体温を保とうとして自然とおねしょが出るわけです。冒頭でおねしょを夜尿症とも書くといいましたが、むしろ病気ではなくて自然な体の反応とも言えます(もちろん体が虚弱で冷えやすい体質の場合は、反射的というより病的なおねしょが続きます)。

😀
小建中湯というお薬は、麦芽糖で体にエネルギーを補給しつつ、生薬成分が体内から体をを温めることによって、おしっこの排せつを防止します。エネルギーが供給され、体がポカポカしていれば、体にとっておしっこを外に出す必要もなく、おねしょも無くなるわけです。

少し回りくどかったかも知れませんが、こんなお薬もあるというミニ知識でした。小建中湯は神経の高ぶりを抑える効果のある生薬も入っているので疳の虫にも用いられますが、虚弱体質でお腹が冷えて下痢しやすい人には、子供に限らず大人にも用いられます。

😐
一方、小さいお子さん(4?8才位)の場合は、夜中にトイレに連れて行っておしっこさせると自然とおねしょをしなくなるようです。個人差もありますが、おねしょをする時間は、大体いつも同じ時間のことが多く、例えば、夜9時頃寝るお子さんで、いつも午前12時ぐらいにおねしょをするようでしたら、午後11時ぐらいにトイレに連れて行っておしっこをさせるようにするとよいと思います。

このような習慣づけをおこなっても、おねしょが続くようでしたら、寝ているときにお子さんの体(特にお腹)が冷えないように「腹巻(はらまき)」などを活用するとよいかも知れませんね。
これから暖かくなるとお子さんが布団を脱いで寝てしまうことが多くなると思いますが、こんな時、腹巻は何かと重宝します。参考までに、以前書いた「はらまき」の記事がありますので、よろしかったらこちらをご覧ください。

😉
大人でも(特に女性)子供でも体が冷えると虚弱体質に移行したり、いろいろな病気に罹りやすくなるので注意して下さいね。

2009年1月23日薬煎院薬局から

😀
どこの保育園でも同じように行われていると思うのですが、キッズプレイスの保育園でも毎月お誕生日会があります。キッズプレイスでも、誕生月にあたる子供たちには、お誕生日会の時に園より顔写真入りのお誕生日の本をさしあげています。

😳
実は昨日、お誕生日会ではなかったのですが、たまたま私(カンポウ先生)の誕生日でして、キッズプレイスの保育士の先生方よりお手製の誕生日カードを頂きました。誰が自分の誕生日を漏らしたのかなと思いつつ、恥ずかしいやら嬉しいやらで、頂いた誕生日カードは自宅に大切に飾らせて頂くことにしました。(先生方ありがとうございました。この場を借りてお礼申し上げます。)

😕
冒頭から私的な話題で申し訳ありませんでしたが、ブログをご覧の皆さんは占いに興味がありますでしょうか。お子さんをお持ちのお母さんであれば、お子さんの将来が気になると思います。

誕生日から運勢を占う方法は西洋と東洋で見方が異なり、いろいろな占い方があり、それぞれに特徴があるようです。私はその道の専門家ではありませんが、学生時代にちょっとしたことから手相に興味を持ち、よく飲み会などで友人の手相を見て好評を博していました。その他の占い方法はよく分かりませんが、こと職業については西洋占星術(ホロスコープ)がよく当たるようです。正確にいえば、生年月日とホロスコープで占った職業運は有意に相関するそうで(統計学的に見て、両者の間に関係性が認められるようです)、むかしそのように聞いたことがあります。

インターネットなどでは生年月日から適職を占う怪しげな有料サイトなどがあるようですが、私はこのようなサイトの利用はお勧め致しません。できれば街頭で沢山の経験を積まれた占い師の方の方が、ちゃんといろいろなことを教えてくれると思います。いつかホロスコープの占い師の方にお子さんの運勢を占ってもらう機会があれば、適職について聞いてみると面白いかも知れません。

😯
 アメリカではBFO(バラク・フセイン・オバマ・Jr)氏が大統領に就任しましたが、オバマ大統領の生年月日は1961年8月4日で、しし座の生まれだそうです。しし座はその名の示す通り、百獣の王のごとく、自ら率先して集団を率いる能力に優れているそうで、政治家は「天職」となります。そのようなこともあり、オバマ大統領はしし座の天分を活かしてリーダーシップを発揮し、アメリカをグイグイと引っ張っていくのではないかと期待されます。歴史上の人物としては、ジュリアス・シーザーやフランス皇帝のナポレオン、キューバのカストロ議長などがしし座生まれとなります。

 しし座のオバマ大統領が政治家を目指したように、占いの示す天職をお子さんが選んだとしたら、それはきっと生まれ持った力を最大限に発揮できるかもしれません。小さなお子さんが大人になるのはまだまだ先の話ですが、参考にしてみるのも面白いかも知れませんね。

😕
なお、「占いは信じるところに占いがある」と言うように、占いだけを妄信することは決してよくありません。人間は占いで見る「宿命」的なもののみで生きるのではなく、いくらでも努力して自らの「運命」を切り開くことが出来るからです。また様々な可能性のある子供たちに型をはめるような将来の方向付けは、無限にあるお子さんの潜在的能力を否定することにもなりかねず、お子さん本人のみならず世の中にとっても大きな損失になりかねません。つまり親バカも行き過ぎると、将来私たちを救うかもしれない未来の救世主を失うことにもなりかねず(少し大げさでしょうか…)、そうなれば人類にとってマイナスですね。枠にはめるのではなく、自分の可能性に気付かせるような導きが必要なのかも知れません。

2009年1月16日薬煎院薬局から

😳
以前、キッズプレイスのブログで麻黄湯(まおうとう)や葛根湯(かっこんとう)などの漢方薬が抗インフルエンザ薬のタミフルと同程度の効果を示した例(日本東洋医学会学術総会報告例)を紹介いたしましたが、強い寒気団が日本に近づいて来るに従って、インフルエンザが流行りはじめ、ブログ記事のアクセス数も上がっています。

😯
今日は、最近の世界保健機関(WHO)の発表情報に基づいて、インフルエンザについて少々解説したいと思います(私はむかし薬の開発研究をしていましたが、いまでは福岡の漢方薬局の一薬剤師にすぎませんので、より正確な情報や治療に関する情報については専門のお医者様にご相談ください)。ここではキッズプレイスのブログとして、子育ての中で必要な最低限の知識を書かせて頂きます。

😕
私にも今年の春に2歳になる、最近「いやっ」を連発するおてんば娘がいますが、インフルエンザに関しては関心事が2つあります。

1つは、新型インフルエンザといわれるものです。もう1つは、今流行り始めているインフルエンザが、抗インフルエンザ薬の効かない耐性型であることです。

最近テレビなどでも頻繁に報道されているので皆さんも「新型インフルエンザ」についてはお聞きになったことがあると思いますが、ここでは新型インフルエンザを知る前に、新型ではないインフルエンザの話を先にします。冗長な言い回しですが、インフルエンザに関する一般的な諸注意です。
 大人であれば、インフルエンザに罹ると高熱が出て3?4日寝込んで安静にしていれば自然に回復して元気になります。しかし子供となると「インフルエンザ脳症」などのかなり重篤な合併症を引き起こす確率が高く(特に1?5才)、慎重な対応が必要となります。
 これらの合併症にかかると致死率が高く、たとえ助かっても脳に障害が残ることもあり(脳性まひなど)、元気なお子さんの姿を二度と見れなくなる可能性もあります。このようなインフルエンザ脳症の発症が小児において日本では年間100?200例あるそうです。
 残念ながらインフルエンザワクチンの接種がインフルエンザ脳症に有効であるとの結果は得られておらず(統計学的有意差が得られておらず現在検証が継続中)、ワクチンを接種したからと言って安心しないでください。
 また以前にもブログに書かせて頂きましたが、子供が急に高熱を出した時、慌てて大人用の解熱剤を子供に飲ませるようなことをすると思わぬ副作用を引き起こしますから、決して素人判断をしないことが大変重要です(職業柄、繰り返し警告させて頂きます)。子供には子供用の薬のみを与えることが子育ての大原則です。

🙄
 これに対し新型インフルエンザとは、端的に言えば新しくて強力なインフルエンザウイルスを言いますが、中でも本来「鳥」の間でしか感染しなかったウイルスが人間にも感染するようになった、「高病原性鳥インフルエンザ(A/H5N1型)」がその代名詞となっています。このA/H5N1型について、2009年1月7日のWHOの発表では、全世界の患者の累計数が393名に達し、致死率も累計で63%、2008年のみを見れば74%と発表されています。
 これはどういうことかというと、感染したら4人中3人が死に到る可能性があるインフルエンザウイルス(A/H5N1型)が既に世の中に存在していることを意味します。もし4人家族の誰かが感染すれば、生き残るのは1人だけという計算になります。特に幼い子供やお年寄りは体力的にも弱いので感染は致命的です。想像するだけでもぞっとするような怖いことが、すぐそこまで来ています。そして、いつ感染爆発(パンデミックと言います)を起こしてもおかしくありません。

 インフルエンザウイルスは大きく3つのタイプに分かれ、それぞれA型、B型、C型と呼ばれています。この中でA型は遺伝子の変異を起こしやすく、C型はほとんど遺伝子が変異しません。B型はその中間です。ウイルスの遺伝子が変化すると、当然ながらウイルスが作り出すタンパク質の性質が変化します。つまりA型インフルエンザウイルスはコロコロとウイルス自体の性質が変化することを意味しています(人でいえば毎年、顔や体の体型、体質がコロコロ変わるようなものです)。A型は細かい性質までコロコロと変化するので、同じA型でもAソ連型、A香港型などと呼んで区別されていますが、それでも細かく変異するため同じAソ連型といっても全く同じとは限りません(後述のA型の耐性ウイルスはその例です)。

C型は遺伝子が変化しにくいので一度感染すると人間でも免疫が出来上がります(A型ほど脅威にはなりません)。B型でも遺伝子がそれほど変化しないので、一度感染すると免疫がある程度長続きします。これに対しA型は大変変化しやすいので、体の免疫が次の年には役に立たないという事態が起きます。A型についてはワクチンが効きにくい(正確にいえばワクチン製造の予測を立てにくい)のはこのためです。

病原微生物検出情報(国立感染症研究所)によると、2008年12月現在、北海道、近畿地方および鳥取や広島県などの中国地方で患者数の増加が報告されていますが、ウイルスとしてはAソ連型、A香港型、B型が検出されています。このことから、今年のインフルエンザはこれらの混合流行が懸念され、医療関係者はそれぞれの型の患者数の動きに注目しています。特に小さなお子さんはC型を含めて免疫を獲得していないことが多く、まれに複数のインフルエンザウイルス(Aソ連型、A香港型、B型、C型)が混じって感染することもあり得ますので、流行の本番を迎えて注意が必要です。

 A型は変異が早いため、人類にとって脅威的なウイルスと言えますが、A型インフルエンザウイルスの変異しやすさは、とうとう抗インフルエンザ薬に耐性の性質を生み出してしまったようです。抗インフルエンザ薬(商品名タミフル)が効かないAソ連型のウイルス、「Aソ連型(オセルタミビル)耐性ウイルス」という新手の亜種が日本でも既に出現しています(A型は変異しやすいため、いつかはこのようなことが起きると思っていましたが、意外に早かったような気がします)。
 WHOの2008年12月29日時点の発表では、耐性ウイルスは、日本で調べられた14例の検体のうち、なんと13例で検出されており(検出率93%)、国内では鳥取県で多く検出されています。今後、耐性ウイルスの国内での流行が心配されます(耐性ウイルスについては、抗インフルエンザ薬はタミフルだけではないので、処方はお医者さんにお任せ下さい)。一度耐性型が出現すると、新しい抗インフルエンザ薬(新薬)が開発されるまで耐性ウイルスが蔓延ることになり、これは厄介な問題です。

😐
 インフルエンザの予防はワクチン等がありますが、ワクチンによる免疫ができるまでには時間がかかる為、いまからでは残念ながら遅すぎます。
 インフルエンザウイルスは寒さと乾燥を好みますが、手洗いや日光で容易に不活化される(それほど頑丈なウイルスではない)ため、手軽にできる一番の予防法は、外から帰ったら石鹸で手を洗い、必ず「うがい」をすることです。また部屋にいるときは湿度を上げることが大切です。マスクの着用はウイルスを遮断するだけでなく、ウイルスの感染経路である喉や鼻の粘膜を乾燥から守ってくれるので有効です。
 もし周囲にインフルエンザに罹った人がいて、その人が咳をしたとしても、ウイルスがすぐに自分の体内に感染することはありません。ウイルス粒子が体内に入り込むまでにはラグタイムがあり約20分かかります。ですから、外出後の手洗いやうがいを、あきらめないでスグに行うようにして下さい。またウイルス粒子が1個でも付着したら感染するのではなく、ある程度まとまった量の付着が必要ですから、体に付着したウイルス粒子の数を減らすことも有効です。
 そして、もしインフルエンザが流行したら、外出そのものを極力避けるべきです(新型インフルエンザの場合は国や自治体から外出禁止令が発令されるかも知れません)。特に小さなお子さんがいるご家庭ではお父さんお母さんが仕事優先で無理をされないことです。仕事先からAソ連型、A香港型、B型、C型と、いろいろなウイルスを持って帰って来ることに繋がるためです。

 キッズプレイスでもインフルエンザが疑われる園児さんがおられたら、先生方を通じて保護者の皆さんに注意を促していきたいと思います。また今年も先生方には麻黄湯などのお薬を処方していきたいと思います。

 長い記事となりましたが、子育ての役に立てばと思い、インフルエンザについてコメントさせて頂きました。園児さんの今冬の健康の助けになれば幸いです。

参考リンク
国立感染症研究所 感染症情報センター

2008年12月31日薬煎院薬局から

😳
昨日除夜の鐘を聞いていたかと思うと、またあっという間に大晦日がやってきて、本当に一年は早いと思います。

😥
時間の経過は歳をとればとるほど早く感じますが、幸いなことにこの傾向は私だけではないらしく、心理学の専門家も指摘されていて、「ジャネーの法則」として知られています。今でさえこんな感じでは、あと数十年歳をとったらどうなるだろうと心配です…。

😯
生まれて半世紀が近付いている私にとって、冒頭のたとえのように一年はあっという間に感じられますが、小さな園児さん達にとっては、全人生のほとんどもしくはかなりの時間に相当するわけですから、きっと同じ一年でも私よりもずっとずっと長く感じていることでしょう。

😀
私には、毎年短く感じている一年ですが、たとえ短く感じたとしても、来年も、今年のように充実した一年を過ごすごとができて、今年と同じようにキッズプレイスの先生方や保護者の皆さんをはじめ、全ての関係者の皆さんに感謝しつつ終わることができたらいいなと思います。またキッズプレイスの園児さんにとっては、とても充実した一年と感じていてもらうことが出来れば、とても嬉しく思います。

(私にとっての)一日は、これまで生きてきた17000日分の1日(1/17000)に過ぎませんが、2才のお子さんであれば730日分の1日(1/730)になるわけですから、来年も園児さんが毎日充実した一日一日をキッズプレイスで過ごせるように、才能あふれる先生方と共に頑張っていきたいと思います。

😉
2008年、皆様大変お世話になりました。来年も本年同様よろしくお願いいたします。

カンポウ

2008年12月20日保育所から,薬煎院薬局から

😀
キッズプレイスの保護者の方々をはじめとする読者の皆さま、当ブログをご覧いただきましてありがとうございます。このブログは子育てに係わりのある話題に絞って書き込みを行っています。

今年も残すところあとわずかとなり、既に今年の流行語や、世相を表した漢字や四字熟語など、いろいろなランキングが発表されてテレビなどで紹介されていますが、当「ブログでキッズプレイス」でも、これまでを振り返って、特に検索数が多かった記事のランキングを振り返りたいと思います。

😯
「ブログでキッズプレイス」の中で、輝ける第1位は、ダントツで「赤ちゃんを安眠させるための5つの方法」でした。
😀
以下の順位は次のようになります。
2位 お子さんの人見知り対策
3位 インフルエンザになったら
4位 お父さんのハイスピードカレー
5位 赤ちゃんの着せ過ぎについて
6位 冬に子供と遊びに行くなら
7位 虫歯について

1位の「「赤ちゃんを安眠させるための5つの方法」については非常にアクセス数が多く、問い合わせも多い記事になっています。はじめての子育てで、赤ちゃんの夜泣きなどで困っているお母さん、お父さんが検索されて、読まれているのではないかと思っています。

当初、簡潔に記事を書きましたが、こんなにアクセスが多いなら、もう少しいろいろと書けばよかったかなと後で少し後悔しました。また機会を見つけて改めて紹介していきたいと思っています。
ちなみに、キッズプレイスで私がいつも使っている赤ちゃんを寝かせつける方法は(必殺技?)、車がついたラックを使う方法で、前後に転がして揺らしながら寝かせつけます。揺れる感じと、車輪からわずかに体に伝わるゴツゴツとした床面の振動がポイントで、小刻みに揺らしたり、ゆっくりと揺らしたり、寝つきが悪い赤ちゃんと寝つきがいい赤ちゃんでは揺らし方を変えています。この方法では60?70%程度の成功確率で、すぐに爆睡してしまうか赤ちゃんもいれば、残念ながら全く通じない赤ちゃんもいます。上手くいかない場合は、おしめをチェックした後ミルクを飲ませるなどして、背中をとんとん叩くなど5?6通りの方法をトライすことになります。

お子さんの人見知り対策
😕
 赤ちゃんは6カ月を過ぎると人見知りが出てきますが、お子さんによっては遠方から訪ねてきたおじいちゃんやおばあちゃんを見て大泣きする赤ちゃんもいて、せっかく孫に会いにきたおじいちゃんおばあちゃんを落胆させることになります。お父さんお母さん方としても両親につらい思いをさせるのが堪らなくて相談を受けることがあります。
 一方、キッズプレイスでもそうですが、ニコニコして微笑みかけてくる園児さんは、先生方にとっても、とても可愛く思えます。一見すると愛嬌のある園児さんは、その子が持って生まれた人徳とも言えなくはないですが、見方を変えるとコミュニケーションが上手であるともいえます。
 人見知りをしない、つまり物怖じしないコミュニケーション・スキル(技術)を持つことは、幼児期において多く人から愛され、結果として人に優しい素直な性格を育むことにもなり、とても重要ではないかと思われます。
 昔は赤ちゃんが生まれるとはじめからおじいちゃんやおばあちゃんが傍にいて、赤ちゃんは自然と多くの人に接することが出来ましたが、現在のような核家族化が進んだ状態では赤ちゃんにとっても両親以外の人に接する機会が減っています。人見知りを減らすには、お父さんお母さん以外の人に慣れる必要があり、そのような場合にキッズプレイスなどが役立ちます。入園した頃は人見知りが激しかった園児さんでも、半年ほどすると「○○ちゃん、最近はじけてるね…」というほど劇的に変わる(成長する)子もいます。つまり、保育園に入園するということは、コミュニケーション能力を高めるための訓練を受けるという風に考えて頂くと分かりやすいと思います。
 一方、保育園において、子どもたちは大人から教えられたルールの他に、子供達だけの共通ルールを徐々に学んで行きます。このため、閉じられた環境で育ったお子さんよりも、結果として集団生活に慣れ親しんだお子さんの方が臆することなく自信を持って社会生活を送れるようになるように思います。
(ここではブログの記事について簡単に紹介するつもりだったのですが、記事の内容について触れているうちに、ついつい力が入ってしまいました)

😐
この季節にアクセスが多い記事は、「インフルエンザになったら」です。
 漢方薬の「麻黄湯(まおうとう)」という処方に、インフルエンザの特効薬として知られているタミフルと同程度の効き目があることが小児医学会で報告され、最近話題になっています。小さなお子さんにとって漢方薬は飲みにくい薬ですが、大人の量の1/2?1/4なので、うまく工夫すれば飲めないことはないかもしれません。

😯
 因果関係は不明ですが、タミフルは小児に与えると異常行動が誘発される可能性が指摘されておりますので、一昨年あたりから漢方薬の麻黄湯が見直されています。ちなみにタミフルも麻黄湯もインフルエンザウイルスによる風邪症状を完全に抑えるのではなく、発熱期間を半分に短縮してくれます。通常インフルエンザによる発熱は3?4日続きますが、薬を飲むと1?2日で回復するという結果が得られています。どちらもインフルエンザのひき始めに飲まないと効果が期待できません。ちなみに麻黄湯に入っている麻黄という生薬は葛根湯(かっこんとう)という処方にも入っていて、こちらもインフルエンザの初期に有効であるとの報告もあります。なおインフルエンザ対策にこれらの漢方薬を用いる時は、満量処方であることを確認されることをお勧めします(薄い漢方薬では効き目が落ちます)。

:mrgreen:
4位 お父さんのハイスピードカレー
 何故か、圧力釜を使ってカレーライスの説明したこの記事にアクセスが多いようです。特別なことは書いておらず、カレー好きなお子さんを持つ保護者のみなさんのために我が家のカレーの作り方を書かせて頂いただけなのですが、何かの参考になれば幸いです。ちなみにこの記事を書いている今晩の夕食はハヤシライスでした(笑)。

1つ1つの記事については、時間のある時にでもお読みいただければと思いますが、面白いところでは、虫歯が感染症であることを紹介した7位の「虫歯について」、また、番外ですが「柿のヘタ」を取り上げた「柿のへた」などもアクセスが多いです。
後者について、柿のへたはしゃっくりの特効薬であることを紹介した記事ですが、お子さんを持つお母さんお父さんというより、しゃっくりに苦しんでおられる大人の方が読まれているのかも知れません。

今年もいろいろなことがありましたが、また来年も「ブログでキッズプレイス」をよろしくお願いいたします。これからも折に触れて記事を書いていきますので時折覘いて頂けると嬉しいです。携帯電話からもアクセスできると思いますので、通勤途中や空き時間にも覘いてみてください。またご質問などありましたらお寄せ下さい。

2008年12月9日薬煎院薬局から

先週、福岡では雪が降りましたが、今日は寒さがゆるんで最高気温も16℃ぐらいまで上がったようです。薬局の窓から外を眺めていると雲ひとつなく、とても良く晴れています。
😀
太陽の光がまぶしい冬の快晴の日には、仕事をやめてどこかに遊びに行きたくなりますが、こんな冬の晴れ間は子供たちにとってもお母さん方にとっても貴重ですね。今日は快晴にちなんで太陽の光について考えてみます。

😕
ヒトが欠かすことのできない微量の栄養素にビタミンがありますが、そんなビタミンの中で太陽の光と深い関係にあるものがあります、それは「ビタミンD」です。ビタミン(vitamin、英語圏の人はバイタミンと発音します)とは、本来、体の中で作り出すことができない栄養素を意味する言葉なのですが、「ビタミンD」は例外で、太陽の光を浴びることによって私達の体の中で自動的に作られます。

ヒトが太陽の光を浴びると、体の表面(皮膚)でビタミンDが作られます。ビタミンDとは一言でいえば、骨を丈夫にするために欠かすことできない栄養素で、不足すると子供では「くる病」、成人では「骨軟化症」を発症します。くる病になると背骨など、体の骨が曲がったり変形したりして発育に影響がでます。骨が丈夫でないと歳をとると骨粗鬆症になる確率も高まります。

😯
特に最近では転んだだけで簡単に骨折してしまう子供たちが増えていることが問題になっていますが、家の中ばかりいて太陽の光を浴びないことと、運動不足が原因と言われています。
冬になると寒くて外に出るのが億劫になりますが、晴れた日に子供たちを太陽の光のもとで遊ばせることは、子供達の骨の成長を促進する上で大切です。太陽光線を浴びると共に、走り回ることによって骨が確実に真っすぐに太くなります。

一方、太陽の光によってビタミンDができるのはヒトだけではありません。
ビタミンDの原料はコレステロールで、これがプロビタミンDとなり、プロビタミンDが太陽の光によりビタミンDに変化します(詳細は割愛しますが、詳しいことはインターネットで検索してみてください)。つまりプロビタミンDを多く含む食材などは、太陽に光にさらすと自動的にビタミンDが増えます。
😮
冬になると鍋料理の中にシイタケを入れるご家庭も多いと思いますが、シイタケはプロビタミンDをたくさん含んでいるので、「生」より「天日干し」にすると、ビタミンDの含有量が飛躍的に高まります(生に比べて30倍…)。しかしながら気をつけないといけないこととして、最近は、温風を当てて機械の中でシイタケを乾燥させることが多いようで、このやり方では太陽の光に触れないため、ビタミンD含有量が増えません。シイタケも子供たちと同じで?太陽の光にしっかりと当てることが大切です。ご家庭でも生シイタケを買ってきて小さく刻んで十分に天日に干すと、それだけでビタミンDたっぷりのおいしい干しシイタケに大変身します。

個人的な感想ですが、生シイタケより天日干しの干しシイタケの方が味がよいため、私は干しシイタケが大好きで、鍋などにも入れて食べています。太陽の光を浴びる機会が少ない冬は、鍋に入れるならビタミンDが豊富な天日干しの干しシイタケが大変お勧めです。干しシイタケは日持ちもするのでお歳暮にも最適です…。
シイタケに限らず、魚やイカの干物なども、天日に当てるとビタミンDの含有量が増えることが知られています。

😕
ビタミンDに限らず、冬の晴れ間の太陽光線は、布団の日干しや洗濯物の乾燥にも大切な役目を果たします。太陽の光には殺菌消毒の効果があるので、天気の良い日は十分な日光で布団や洗濯物を乾燥させることがおススメです。特に冬は夏に比べて太陽の光の中に含まれる紫外線の量が弱くなっているので、快晴の日を逃さないことがポイントになります。冬場の日光は、カビやダニなどのアレルギー対策の上からも十分に活用したいものです。

キッズプレイスの保育園は、日光が充分に差し込む南向きにこだわっていますが、それは、太陽の光を浴びることが子供たちの成長にとって大切であることが理由です。骨の成長や衛生面でのメリットの他に、以前ブログにも書きましたが、太陽の光は体内時計にも影響を与え、生活のリズムにも関わってくるためです。また園児さんに限らず、スタッフを含めた関係者全員の精神面衛生で、明るく元気な保育園づくりに大切と思われたからです。
:mrgreen:
?冬場に干しシイタケを食べる機会があったら、太陽の光を浴びることの重要性を思い出してみて下さいね。

薬煎院薬局から

😛
 キッズプレイスの保育園でも朝の9時半と午後3時には「おやつ」の時間があります。
😆
私も毎朝5時半に起きていますが、朝ごはんを食べても昼前(11時ごろ)にはお腹がすいてきます。園児さんたちがおいしそうに「おやつ」を見ていると羨ましく思うことがあります(笑)。

 さて、おやつと言えば、これからの季節はお腹が空いたらミカンがおすすめです。

😯
 ミカン、特に日本のミカン(温州みかん)にはグレープフルーツなどの海外のオレンジなどには無い、健康によいクリプトキサンチンという健康に強い味方(抗酸化作用物質)が入っています。この物質は最近抗癌作用があることが発見されて有名になっていますが、風邪のシーズンにも力強い味方になってくれます。つまりおいしい日本のミカンを食べると、健康増進に繋がります。
 クリプトキサンチンは、ミカンの黄色い色の成分の1つですが、食べると半年から一年近く体内に留まるという性質を持っているので、いま食べると来年の春まで良い作用が持続します。こんな優れモノはほかにはありません…

😐
 また、ミカンといえばビタミンCを思い浮かべられると思いますが、ミカンを食べると天然のビタミンCを取ることができます。?
 ビタミンCには「還元型」と「酸化型」があり、体にとって大切なのは「還元型」のビタミンCです(還元型のビタミンCは酸化されて酸化型のビタミンCになります。言い方が適切ではないかもしれませんが、酸化型のビタミンCは体にとって使い終わった乾電池のようなものです…)。ビタミンCであれば何でも体に良いと思われがちですが、ミカンは還元型のビタミンCを手短に取ることができる価値のある食べ物でもある訳です。
 余談ですが、ノーベル賞を2回受賞したアメリカのライナス・ポーリング博士が、1970年ごろに「風邪の予防にビタミンC…」と発表して話題になったことがあります。その後、真偽のほどが確かめられポーリング博士の主張通り、確かに日頃からビタミンCを捕っていると感染症になりにくいようです。新型インフルエンザの流行が警戒されている昨今ですから、体に役立つビタミンCを手短に取れる“ミカン”にすがりたいところです。

😮
 一方、ミカンには食物繊維も豊富に入っています。食物繊維には水に溶ける水溶性のものと、水に溶けない不溶性の2種類があります。
 好みもあると思いますが、ミカンの袋はそのまま食べると不溶性の食物繊維として適度な水分を吸収して便秘を解消し、便通を良くしてくれます。そればかりか、体の中で容易に消化されないため、『腹持ち』がよくなります。おやつを食べたばかりなのに、直ぐにおやつを欲しがるような食いしん坊の子供さんには向いている食べ物といえそうです(適量を食べればお腹が空く時間を延ばしてくれるので、ダイエットにも向いています)。さらに食物繊維は、お腹の中の腸内細菌の栄養にもなるので、お腹の調子の悪い子供にも向いています。

😯
 実は漢方薬でも、ミカンの皮を乾燥させたものを生薬として使います。「陳皮 (チンピ) 」といい、健胃、去痰、鎮咳作用があり、食欲不振や咳嗽、嘔吐、疼痛などに用いられます。陳皮は入浴剤などにも入れることがあります。
 食べたら捨ててしまうミカンの皮を、ただ干しただけで医薬品になるのですから不思議ですね。それだけミカンは体に良いということでしょうか(笑)。

今年は日本に台風が上陸することなく、夏も暑かったのでおいしいミカンが採れると思います。ぜひおやつにミカンを食べてみてください。でも食べ過ぎて体が黄色くならないように注意して下さいね。ミカンは、ダイエットと美肌を兼ねてお母さんにもお勧めです。また愛煙家のお父さんには、癌予防のために強く強くお勧めします。

2008年8月29日薬煎院薬局から

久々に薬局よりキッズプレイスのブログに書き込みさせて頂きます。
😀
みなさん「柿」はお好きでしょうか?夏が終わり、これから旬を迎える果物ですね。

同じ発音に「牡蠣」がありますが、(どうでもよいことですが…)私自身は「柿」も「牡蠣」もそれほど得意ではありません。
今日はそんな柿についての、特に柿の「へた」についての話題です。

😯
薬局には時々「柿のへた」ありますか?というお客様が来られます。
読者の方は、どうして果物屋ではなくて「薬局」に柿のへたを買いに来るのだろうと思われると思いますが、柿の「へた」は「しゃっくり」によく効きます。

😆
民間薬としても柿のへたの効能は知られていますが、最初に柿のへたがしゃっくりに効くことに気づいた人はスゴイと思います。

漢方薬でも「柿蒂湯(していとう)」という処方があり、柿の「へた」は生薬として使われています。「へた」は漢字で書くと「蒂(蔕)」と書きます。
柿蒂湯に含まれる生薬と分量は次の通りです。丁子(ちょうじ):1.5g、生姜(しょうきょう):1.0g、柿蒂(してい):5g

😐
柿蒂湯は本来煎じて飲む漢方薬ですが、製薬会社から粉末の薬が販売されています(商品名:ネオカキックス)。薬局でも時々小さなお子さんを持つお母さんが買いにみえられます。

お子さんに薬、特に漢方薬のような少々苦みのある薬を飲ませる時のコツとして、アイスクリームにふりかけてあげると無理なく飲めるかもしれません(薬を飲ませるときは用法用量を守って服用しましょう。薬によってはアイスクリームに混ぜることができないものもあります。薬剤師に聞いてみてください)。
この方法はお子さんがインフルエンザにかかった時に、葛根湯を飲ませるときに応用できます(葛根湯はタミフルと同じぐらいインフルエンザの症状を抑えてくれます)。

😳
でも、いきなりアイスクリームにかけて差し出すと「何でアイスクリームにふりかけるの!」と後でお子さんから恨みを買う可能性もありますので、事前に確かめた方がいいかも知れません。

柿を食べる時にヘタを集めておくと、しゃっくりが止まらない時に重宝するかもしれません。鍋などで煎じて(1日8gが目安です)冷ましてから飲むと良いと思います。なお、柿のへたを保存する時はカビないように、よく乾燥してから保存するようにして下さい(乾燥しても薬効に変化はありません)。

😛
柿は、葉も「柿の葉茶」として重宝されます(柿の葉にはビタミンCが沢山含まれています)。
冬は風邪の季節ですが、柿や柿の葉茶、またミカンを食べてビタミンCを補給するとウイルスに対する抵抗力も高まります。
風邪に負けない体づくりにも、柿は欠かせない果物ですね。

それでは…

2008年6月20日薬煎院薬局から

😳
キッズプレイスのブログをいつもご愛読頂いている読者の方より、最近ブログの更新が遅いのではないかとのご指摘を頂きまして、大変反省しております。
実は…、その…、いろいろありまして、最近やや忙しくしており、更新が遅れがちになっておりました。申し訳ありません…。

😆
本日は季節にちなんだ?梅雨場の洗濯物の話題です。
九州も梅雨に入って雨や曇り空の日が続いていますね。

こんな季節はキッズプレイスの子供達も園の外にお散歩に出かけられないので、じっと我慢の季節ですね。でも園内が広いのでみんな柱の周りを走り回って汗だくです。4月、5月に入園した園児さん達もすっかり園に溶け込んで、毎日みんなでお遊戯をしたり、追っかけっこをしたりしてとても楽しそうです。この間まで「ママー…」と、ずっと泣いていたMちゃんやOちゃんも見違えるほど元気に遊んでいます。

🙄
お母さん方がお子さんが園になれてほっとしたのも束の間、梅雨はお母さんにとって、とても憂鬱な季節ですね。汗をかいた子供たちの服を洗濯をしても、雨が降っていては洗濯物を外に干せないので、どうしても部屋干しになってしまいますね。

最近は部屋干し用の洗剤が売られているとはいえ、部屋干しするとどうしても衣服が臭くなってしまいますが、これどうしてでしょうか、理由は、服につているバクテリア(雑菌)の繁殖のせいです。
冬に部屋干ししても衣服が臭くなることはあまりありませんが、梅雨は気温が20?30℃ぐらいと高いため、衣服が乾燥する前に雑菌が大繁殖してしまいます(大増殖する条件が整っています)。雑菌の増殖には水と高めの温度(気温)が必要です。また衣服の匂いの強さは菌の数と比例します。

洗濯をしても、雑菌を完全に除去することは困難です。部屋干し用の洗剤には雑菌の増殖を抑える成分が入っていますが、それでも完璧に菌の増殖を抑え込むことは難しいと言えます。

😕
洗濯物を臭わなくするには、15度以下で雑菌の繁殖を抑えながら洗濯物を乾かすか、雑菌が繁殖する前に乾かすか、しかありません。冬場の洗濯物が臭わない理由は、気温が低いために雑菌の増殖が抑えられることと湿度自体が低いためです。一方、晴れた日の洗濯物や夏の洗濯物が臭わないのは、菌が増殖する前に洗濯物が乾いてしまうからです(菌は太陽の光(紫外線)に弱いので、晴れた日の洗濯物が一番衛生的と言えます)。

困ったことに、もし洗濯物が臭ってしまったらどうすればよいでしょうか。一度臭ってしまった洗濯物は、洗濯を繰り返しても臭うようになります。そんな時は、一度菌を完全に消毒するしかありません(これを滅菌といいます)。それには、3つ方法があります。次亜塩素酸系の除菌剤(ハイターなど)を使うか、晴れた日に衣服の裏表をよく太陽の光にあてて紫外線滅菌することです。
また、もう1つの方法はホテルのバスタオルやシーツなどに行われているのと同じ、熱湯消毒(スチーム消毒)です。ご家庭の場合は、臭くなった服をバケツに入れて、ヤカンで多めに沸騰させたお湯を注き、漬け込むことで代用できます(この方法は生地が丈夫なジーパンやバスタオルなどに適しています。くれぐれも火傷に注意して下さい)。
いずれの場合も色柄ものや素材により衣服がダメになる場合がありますので、表示などを確かめて注意して行ってください。

😕
また臭くなる衣服は、体から出た蛋白質や脂質が繊維の隙間の奥深くに浸透し、こびり付いたものが多く、これらを「餌」として雑菌が増殖します。つまり若くて汗や皮脂をたくさん出す人か、長い間着た服などが臭いやすくなることになります。いくら滅菌しても、すぐまた臭うよであれば、まずは蛋白質や脂質を溶かす酵素が入った洗剤に衣服を漬け置きしてから、雑菌の餌となる汚れを落とすことが先決になります。また洗濯機自体についても、糸屑をこまめに捨てたり、専用のカビ取り剤で定期的に消毒することも必要です。

😮
ついでに我が家の梅雨場の洗濯物対策をご紹介しておきます。
我が家の梅雨の洗濯物はお風呂の後で洗濯をして、寝ている間に乾かしています。
梅雨場は、洗濯機での脱水時間をやや長めにします。また洗濯した衣服を4畳半くらいの狭い部屋に干し、除湿機を4時間くらい動かしています。この時、除湿機から噴き出す風が洗濯物に当たるように干し方などを工夫します。また洗濯物が多い時には除湿機と同時に、弱風にして扇風機を動かします。
きれいに乾かすポイントは、除湿機の作動時間を長めにすることではなく、風をまんべんなく洗濯物に当たるようにすることです。これにより早く乾かすことができます。
またこの方法のメリットとしては、部屋の中そのものも乾燥できることです(カビの発生の防止になります)。クーラーのあるご家庭では除湿モードで代用できるかもしれませんが、どの部屋でも持ち運びできる点では除湿機が1台あると重宝します。

😯
梅雨だけに鬱陶しい話題で申し訳ありませんでした。しかし、コツを掴めば梅雨場の洗濯物も快適にこなすことができると思います。これからの季節はお子さんが汗をかきやすくなりますので(夜も寝汗がたくさん出ると思います)、皆さんいろいろ工夫してみてください。

2008年4月23日薬煎院薬局から

 昨日は朝のおやつの後で、まゆみ先生が製作(端午の節句の鯉のぼり作り)をされると言うことで、私もお手伝いとして朝から保育園に来ていました。
😀
また朝10時に見学のお母さんが3名みえられました。みなさんお子さんもご一緒でした。キッズプレイスには皆さんお子さん連れで見学に来られることが多いです。

😯
一方、おやつの後で0才児のK君のご機嫌が悪く、泣きやむ気配がありませんでした。
 おやつの直後にもかかわらず機嫌が悪いのは十中八九、眠いのだろうと思い、別室のベビーベットにK君を抱いて行き、背中をトントン叩いてあげると、程なくすやすやと寝入ってしまいました。

🙄
しかしK君のことで頭が一杯になっていたのか、自分自身で何かを忘れているような気がしていました…。?
そうです、見学に見えられたお母さん方に自己紹介することをすっかりど忘れしていました。どうも何かがしっくりこないと気にはなっていたのですが、そのことに気づいたのはお母さん方が帰られた後でした。

😳
なんと無愛想な人だろうと思われたのではないかと気がかりです。バツが悪いことに、私は男性でしかも最年長と言うこともあり、頭の髪の毛も程よく薄く?、よく園長先生に間違われてしまいます(間違えられても仕方ない年格好なので仕方ないかもしれませんが…)。もし間違えられていたら、思いきり愛想の悪い園長先生になってしまいます(汗)。次回からは自己紹介を忘れないように気をつけたいと思います。

😐
見学していただきました皆さん、失礼致しました。キッズプレイスをよろしくお願いいたします。
m(_’_)m

2008年4月15日薬煎院薬局から

この話題も直接キッズプレイスには関係ないかも知れませんが、近くで起きた大事件で、とてもビックリしたことなのでブログに書いておこうと思いました。

😯
4月14日の夜、福岡市早良区西新2丁目で通り魔による殺人事件が起きました。20?25才ぐらいの痩せ形の男が78才の婦人を刺しました。先月の25日にも約800m離れた城南区鳥飼4丁目の路上で、帰宅途中の会社員の女性が同じ男とみられる犯人に腹部を刺されて大けがをしています。?

キッズプレイスの薬局は西新1丁目にあります。昨晩、薬局を閉めて帰ろうとしていた時に、やたらパトカーのサイレンがけたたましく鳴っていましたが、あまり気に留めずに交通違反をした車がパトカーに追っかけられているのかなと思いました。
また店を出た時に、大通りの向こう側に警察関係者がたくさん集まって非常線のようなものが張られていました。いったい何だろうと思いましたが、それでも、近所で泥棒でも入ったのかな、とぐらいにしか思っていませんでした。

しかし、自宅に帰ってテレビを見ていてビックリしました。
😯
おおっ、「殺人事件だったのか!」「しかも通り魔」…、すごく驚きました。

事件現場は薬局のショーウィンドウから良く見える路地の奥です。大通りの反対側ですが窓越しに良く見通すことが出来ます。

 翌朝、薬局に出勤すると、新聞記者や警察の刑事の方がドカドカとやってこられました。「○○さん(亡くなられた方)はこちらの薬局のお客さんではありませんか?」、「閉店前に怪しい男を見かけませんでしたか?」「この人相に見覚えは?」と、矢継ぎ早に質問されました。

 薬局に殺された女性がお客さんとして来ていたのではないかと言うのです。「こちらではドクダミやハトムギなども売っていますが、全てのお客さんの名前を控えているのではないので分かりません」「写真があれば分かるかも知れません」と答えるのが精一杯でした。

 ブログを書いている今も、現場を警察官が見回りをしていて、ああっ、たった今、読売新聞の記者の方が取材に来られました。「何か変わったことはありませんでしたか…」とのこと。
😕
今日は朝から晩までお客さんの数より取材記者の方の来店が多い日でした。

 しかし、78才の弱者を刺すとはとんでもない人間です。残念なことに犯人はまだ見つかっておらず、警察の方によると近くに住んでいる可能性もあるとのことで、少し不安になります。早く見つけて欲しいものです。
😥
亡くなられた方は薬局の常連さんではありませんが、お店に来られたことがある方かも知れません。そう考えると心が痛みます。冥福をお祈りします。

薬煎院薬局から

最近、花粉と黄砂が飛んでますね、どちらもかなりの量のようです。私も「小青竜湯」という漢方薬を飲んで頑張って耐えています(笑)。
😳
そんな私は、去年の3月まで東京に住んでいたいのですが、先日(3月4日?5日)の黄砂を見て、福岡の黄砂の量にビックリしました。本当に凄かったですね!
😯
黄砂はゴビ砂漠の砂が風に巻き上げられて飛んでくるらしいですが、大きな重い粒子は東シナ海ぐらいまでに落下するので、日本には粒の小さい軽い粒子が飛んできます。

問題は、この黄砂の微粒子が某国の大気汚染地帯を通過して化学物質を吸着して日本に飛んでくることです。黄砂は砂ですから、その組成の大部分は二酸化ケイ素、いわゆる「シリカゲル」と同じです。シリカゲルはいろいろなものを吸着する性質を持っているので、黄砂が大気汚染地域を通過するとその汚染物質を吸着することになります。これをみんなが肺に吸い込むのですから大ごとです。

 春になるとスギ花粉症が問題になりますが、実は、スギ花粉だけで花粉症になることは少なく、花粉症の発症には、ディーゼル車の排気ガスに含まれる真っ黒の微粒子「カーボン粒子」が関与していることが実験的に明らかにされています。もしスギ花粉だけで花粉症になるのであれば、杉の山林に人が住めないことになります(杉を植林すること自体が公害になってしまいますが、そんなことはありませんよね)。

 カーボン粒子は粒子の表面にいろいろな化学物質が付いており、吸い込むと、鼻や肺の粘膜を刺激したり、免疫細胞を悪い方向に刺激します。当然カーボン粒子を吸い続けると花粉症が避けて通れません。
 黄砂もカーボン粒子と同じで、微粉末で表面に大気汚染物質を吸着して飛んでくるので、カーボン粒子同様に注意が必要です。特に黄砂がひどい時はマスクを付けた方が無難です。
😯
福岡の街はN鉄バスやトラックがたくさん走っていますが、残念なことに、東京のバスやトラックように1台、1台、カーボン粒子を取り除く「フィルター」を装着していません(東京ではディーゼル車にフィルターを付けないと都内を走れません)。バスやトラックの排ガスに加えて、有害物質を吸着した黄砂まで飛んできては、福岡の子供たちの行く末が心配になります。
😥
隣国の大気汚染の問題は日本の政府に、バスとトラックの排ガス対策は県や市に頑張ってもらわないといけませんね。また私たちも自己防衛が必要ということでしょうか
😳

2008年2月12日薬煎院薬局から

大寒(1/20)、立春(2/4)、雨水(2/19)、啓蟄(3/6)、春分(3/21)…と二十四節句が進むにつれて花粉症に代表されるアレルギーの季節を迎えます。花粉症をお持ちの方にはつらい季節になりますね。
😯
 キッズプレイスの薬局(薬煎院薬局)でも小さなお子さん向けに漢方薬を作ることがあります。お母さんが2?5才の小さなお子さんの処方箋持ってこられて、21?28日分の煎じ薬を作ります。ほとんどはアトピーの処方が多いです。
 大人でも味の良くない煎じ薬を小さな子供たちが飲んでいるのかと思うと、調剤をしていて心苦しくなります。しかし、漢方薬は自然の草根木皮からなり食べ物の延長上にあるため、重篤な副作用が少なく成長期のお子さんにも(新薬よりも)安心ですから、そのことが救いです。
😥
 漢方薬の使い方として、特に花粉症やアレルギーをお持ちのお子さんには(大人の方も同様です)、今ぐらいから早めに漢方薬を服用して体質改善を図ると春先の症状が改善されます。漢方薬は新薬と違ってアレルギーに対抗するための体質改善を図れるところが大きく違うところ(メリット)です。体質に合わせていろいろな処方がありますから、ご興味があればご相談下さい。薬煎院薬局では全国から煎じ薬の注文を受けています。薬煎院薬局のWEB相談ページから、あるいはキッズプレイスのスタッフまでお尋ね下さい。
😳
 薬局の宣伝はさておき、お子さんがハウスダストによるアレルギー(アトピー)症状がある場合(現在症状が無くても予防的にも)、冬の間の部屋の換気に十分に心がけられることをお勧めします。春先以降のアレルギー症状の悪化を減らすためにも冬の換気は大事です。

 自宅の窓がサッシの場合、右上に換気用の小窓がついていないでしょうか。防犯上問題なければ、日中外出される際に、何時もこの子窓を開けておく事をお勧めします。もし小窓がなければ(あるいは防犯上問題があるようでしたら)風呂の入り口を開けて、風呂の換気扇を回しておいても良いと思います(換気扇の電気代は1日回しても10円位だと思います)。

 なぜ部屋の換気が必要なのでしょうか…。その理由は、冬に換気を行うことにより、乾燥を嫌うダニを死滅させることが出来るためです。さらに、空中に漂うダニの糞を家の外に出すことが出来ます。
 家の中で嫌われ者のダニが生存するためには適度な湿度が必要であり、冬場に空気が乾燥するとダニは死んでしまいます。しかし換気を行わないで部屋を閉め切った状態にしていると湿度が保たれてダニが生き残り繁殖し続けます。

 一方、ただでさえ小さいダニですが、その糞はさらに小さく、人が歩くだけで簡単に舞い上がって空中を浮遊します。ダニの糞が空中を舞っていること自体気持ちが悪いものですが、たちが悪いことにハウスダストによるアレルギーは、ダニそのものよりもダニの糞の方が強いアレルギー反応を引き起こすと言われています。

 冬の間に十分に換気をおこなうことにより、ダニを死滅させ、その糞を減らすことができます。掃除の時に窓を全て開けて換気をすることも忘れないようにしてください。

 一方、(不快な話題が続きますがお許しください)換気をすると当然家の中の温度も下がりますが、これによってゴキブリなどの害虫も死滅します。なぜなら、通常ゴキブリは寒さに耐えられず越冬できないからです(残念ながら卵は別です)。最近では冬でも家の中が暖かいため(例えば冷蔵庫のコンプレッサーなどの熱源部分)、冬に死に絶えてしまう筈の害虫(ダニやゴキブリ)が生きながらえて、春先の温度の上昇によって勢いを増す悪循環が起こります。

 夜のうちに暖房などで室温が上がった家の中は、当然湿度も上がっています。そのため、家族がいない昼間、十分な換気をして室温を下げることにより、害虫駆除にもなります。また換気によって家の中の余計な湿度を下げることによりカビの発生も抑制することが出来ます。

 余談ですが、梅雨場に部屋の中で洗濯物を干すと嫌な臭いがすることがありますが、これは洗濯後にキレイになった衣類に、わずかに残っていた菌(主に細菌)が繁殖するために起こります。菌が繁殖しなければ嫌な臭いは起こりません。菌は「適度な温度」と「水分」があると繁殖します。冬場は洗濯物がぬれて「水分」が十分にあっても気温が低いために菌は繁殖出来ません。

一方、家の中に結露が起こる場合の原因は、カビ(真菌)によるものです。カビも「適度な温度」と「水分」を必要とします。冬場に家の中が結露すると言う方は、昼間に可能な限り換気を行って家の中の温度を冷やしてください。室温が低ければカビは繁殖しませんし、また換気を行うことによって余計な湿気も早く除くことが出来ます。

本格的な花粉の飛散が始まる前の冬の間に十分な換気を行なって、ダニなどのアレルゲンを出来るだけ減らして、健康的に春を迎えてください。

2008年1月31日薬煎院薬局から

 突然ですが、赤ちゃんの夜泣きや疳の虫は大変ですね。毎晩続くとお父さんもお母さんも寝不足が続いて疲労困憊してしまいます。
 幼児の夜泣きや疳の虫には昔から「小建中湯(しょうけんちゅうとう)」という漢方薬が有名ですが、赤ちゃんとなると漢方薬という訳にはいきません。
 そこで耳寄りな知識を1つ。米国の小児科医のHarvey Karp博士は、赤ちゃんを安眠させるための5つの方法を提唱しておられます。
(ちなみに参考になる書籍には次のようなものがあります赤ちゃんがピタリ泣きやむ魔法のスイッチ
赤ちゃんが朝までぐっすり眠る方法…)

 カープ博士は、赤ちゃんの安眠のためには、お母さんの子宮の中の環境を再現することが理想と考えました。そこで、赤ちゃんを上手に寝かせつけるに、赤ちゃんが恋しがるお母さんの子宮の中の環境を再現するための5つの方法を提唱されています。

1.Swaddling スワッドリング
赤ちゃんをタオルなどでぐるぐる巻きにしてあげること。
 赤ちゃんはお母さんの子宮の中で適度に締め付けられていたので、何も締め付けられない状態ではすごく不安になるようです。むしろ体全体を包み込むような密着感があると安心します。
北欧だったと思いますが良く泣く赤ちゃんを寝かせつける伝統的な方法として、赤ちゃんをぐるぐる巻きさせる風習があります。赤ちゃんを巻く時には専門家に指導を受けることをお勧めしますが、赤ちゃんの腕を下げた状態で、上半身を若干きつめに、下半身をゆったりするように巻いていきます。薄手のタオルを使い、苦しがるほどキツク巻き過ぎないように注意します(分厚いタオルで巻くと体温が上がり過ぎるので注意して下さい)。
赤ちゃんでなくても、小さな子供が狭い所や窮屈な段ボールの中に入ったまま出て来なくなったり、その場所で寝てしまったりして困ることがありますが、これは同じようにお母さんのお腹の中を思い出して安心するからなのかもしれませんね。

2.Shushing Sounds シャーシング・サウンド
 赤ちゃんは、「シャー」とか「サー」あるいは「ザー」と言った感じのノイズ(ラジオやTVで選局していない時に出る音;ホワイトノイズなどとも呼ばれます)を心地よく感じます。これはお子宮の中で赤ちゃんが聞いていた、母さんの血管を血液が流れるの音です。ベビー用品のお店に行くと乳児用の音が出るおもちゃがありますが、心臓の拍動音や「シャー」という音が出るものがあります。周期的に繰り返す音を聞くと赤ちゃんは安心するようです。波の音や風の音などのヒーリング用のCDなども売られていますが、赤ちゃんの個性に合わせて好みが違うかもしれませんから、何が良いか試してみるのも良いかも知れません。

3.Swing スイング
 小刻みに揺らすこと。赤ちゃんは揺らされると羊水の中で揺れている感覚を思い出します。お子さんを車に乗せてドライブするとよく眠りますが、これは、子宮の中の羊水の中で揺れている感じに似ているからではないでしょうか。キッズプレイスでも良く泣く赤ちゃんはゆりかごイスに寝かせて揺すって寝かせつけています。
注意点として泣きやんだり、喜ぶからと言って強く揺するのは絶対に良くありません。また小刻みに揺する場合も長時間(ある例では15分以上)続けることは禁物です(乳児揺さぶり症候群SBSにご注意)、ゆっくりと揺することが大切です。

4.Side or stomach lying(Side/stomach position)
 赤ちゃんを横むきあるいはうつ伏せにしてあげること。赤ちゃんを横向きにすると胃の消化を助けることにもなります。一方、当局からの通達もあり、立場上「うつ伏せ寝」を推奨することはできません。しかし、うつ伏せにすると赤ちゃんは安心したようによく眠ります。また、ミルクをもどし易い赤ちゃんも、うつ伏せにするともどし難くなると言われています。赤ちゃんがどうしても夜泣きする時などは「うつ伏せ寝」も選択肢の1つになるかも知れませんが、いきなりうつ伏せ寝を始めるのは大間違いです。最初は頻繁に様子をチェックしながら練習することが大切です。SIDS(乳幼児突然死症候群)にはくれぐれも気を付けてください。
 下に米国消費者製品安全委員会(CPCS)のうつ伏せ寝に対する警告を示しておきます。これを見ると冬場はうつ伏せ寝をしない方が安全です。

1.ベッドはアイロン台の堅さが良い
2.シーツは弛まないようにピンと張る
3.枕は絶対に使わない
4.短い袖の衣類を使う(長いと口を塞いで窒息する可能性がある)
5.何かで顔をおおうことがないようにする
6.あおむけ寝以上の注意をそそぐ

 SIDSは未熟児の赤ちゃんや喫煙されるお母さん、また母乳でなくミルクで育てている赤ちゃんにに多いと言われています。

5.Sucking サッキング
 口で何かを吸うことです。子宮にいる時でも赤ちゃんは自分の指をしゃぶっています。これは生まれた時にお母さんの乳首を吸う練習だと言われています。どうしても泣きやまない時はおしゃぶりが役に立ちますが、癖になるのでご注意を…。

以上5つに意識しながら赤ちゃんを寝かせつけてみてください。複数の要素が揃うほどおお泣きしないで赤ちゃんが寝てくれると思います。

参考までに(あくまでも体験談です。うつ伏せ寝は自己責任でお願いします)
 我が家では、首のすわりが確認出来たころから、徐々に様子を見てうつ伏せ寝の練習をはじめ、6か月過ぎてから本格的にうつ伏せ寝に変えていきました。うつ伏せ寝の練習には特に神経を使いますが、やはり、うつ伏せの方がぐっすりと寝てくれます。またうつ伏せ寝に比べて仰向けだと、赤ちゃんのお腹がすきやすいような気がします。仰向けの時は夜中にお腹がすいて泣いてしまい、ミルクを飲むとすぐに寝ていました…。
 また我が家では、寝る前はなるべく母乳やミルクを飲ませ、いつもα波が出るというクラシックのCDをかけていました。
 カープ博士が提唱されている安眠のための方法を意識しながら色々と試してきましたが、やはり、毎日「規則正しい生活」を繰返すと、赤ちゃんは自然とぐっすり眠るようになるような気がします。いろいろ手を凝らしても「生活のリズム」が整わないとダメそうです。生活のリズムは6番目に必要な要素かもしれません…。

以上、上手な赤ちゃんの寝かせ方について、赤ちゃんを持つお父さんお母さんのお役に立てば幸いです。

ご参考まで…、128番目の記事にも赤ちゃんの夜泣き対策の記事を書いております?

2008年1月7日薬煎院薬局から

新年、明けましておめでとうございます。今年もキッズプレイスの保育所と薬局をよろしくお願いいたします。
昨年末にインフルエンザのことについて書きましたが、ポツポツと反響があり嬉しく思っています。漢方薬はタミフルと同等以上に有効という結果が出ていますが、「味が苦い」のでお子さんにそのまま飲ませるのは難しいかも知れません。この場合は、ハチミツやシロップを入れるなどの工夫をすると良いです。

さて、今日は赤ちゃんの着せ過ぎについてです。
冬になるとキッズプレイスに登園する赤ちゃんも温かい服装でやってきます。
よくよく観察していると、園についてから上着のジャンパーやおくるみを脱がせると、その下に3枚も服を着ている赤ちゃんがおられます。寒い冬空に出かけるので仕方ないのですが(お父さんお母さんの愛情の深さかも知れません…)、お家や保育園にいる時は薄着がおすすめです。
私も含め、ついつい親ごころで冬には厚着をさせたくなりますが、暖房された室内や車の中では厚着をさせていると赤ちゃんがのぼせてしまい、また、お尻では湿気がこもって「おむつかぶれ」の原因になることが多いようです。
室内での服装は厚着にならないようにして、寝る時は毛布や布団で調整するのが理想です。

秋から冬にかけて生まれた赤ちゃんの場合、冬に厚着をし過ぎると暖かい季節に生まれた赤ちゃんより寝返りやハイハイが遅れがちになるようです。また、厚着により突然死症候群やアトピーにもなりかねません。赤ちゃんは大人に比べて体温調整の機能が未熟で、また汗っかきでもあるため、適度な保温性と通気性を考えて、こまめに服装を選択する必要があります。赤ちゃんがキッズプレイスからお家に帰って来た時、少し薄着なのは、日差しがさして保育園の中が日中温かいためです。また送迎の車の中も暖房を入れているのでジャンバーやおくるみの下は少し薄着になっています。

一方、私の家もそうなのですが、マンション住まいのため暖房はエアコンに頼っています。エアコン暖房は、風量をあげて下吹き出しにしても、天井側と床側ではかなりの温度差が出来てしまうのが難点です。足もとが寒いと思って温度調整をあげてもなかなか足もとが温まりません。このような時、加湿器を使って湿度をあげると比較的低い温度設定でも温かく感じます(エアコンの電気代もお得になります)。
また加湿器は風邪の防止にもかなり有効です。エアコン暖房のみの部屋で睡眠すると、空気がカラカラの状態では鼻や喉の粘膜が渇いて炎症を起こしやすくなり、風邪の季節では、粘膜からのウイルスの侵入を助けることになってしまいます。適当な湿度があれば鼻やのどの炎症を防げます。

そしてもし、日中自宅に誰もいないのであれば、サッシについている換気用の小窓を開けて換気しておくことをお勧めします(防犯には十分注意してください)。これは、加湿器で加湿しすぎた湿度を適度に逃がすためと、室内の目に見えない埃(ほこり)を外気に逃がすためです。

少々話題がそれてきましたが、冬は赤ちゃんの着せ過ぎに注意して元気に冬を乗り切ってください。次回は冬の間の家の換気の必要性について別途書かせて頂こうと思います。

最後に繰り返しになりますが、今年一年間キッズプレイスをよろしくお願いいたします。