小笹長丘保育園から

平成22年度の保育も平成23年3月31日をもち無事終了することが出来ました。この一年間で子ども達は大きく成長してくれました。そして3月31日で7人のお友達が認可保育園や幼稚園に入園するため、小笹長丘保育園から巣立っていきました。2年通ってくれたお友達から3カ月の短い期間でしたが通ってくれたお友達といて、やはりお別れというのはどんな時でも悲しく、一緒に過ごした思い出がよみがえってくるものですねicon_cry.gif卒園したお友達が新しい場所でもたくましく、立派に成長してくれえることを願っています。またいつの日か小笹長丘保育園に遊びに来てくれるのを楽しみにしています。頑張ってねicon_biggrin.gif

別れを惜しむ間もなく4月1日より平成23年度の保育がスタートしました。そして、1日より新しいお友達が男の子2名女の子1名計3名入園してきました。まだまだ朝の登園時は「ママがいい・・・」と泣いてしまいますが、在園児のお友達がみんな仲良く手をつないでくれたり、「泣かなくて大丈夫だよ」と優しい声かけをしてくれたりして、朝のおやつを食べるときには笑顔も見せてくれていますicon_razz.gif

今年も先生達とたくさん遊んだり、いろいろなことを経験してみんなが大きく成長してくれるのを楽しみにしています。保護者の皆様、職員一同がんばっていきますので一年間、どうぞよろしくお願いします。

2011年3月30日薬煎院薬局から

三陸沖の大震災では福島原発一号機が被害を受け、使用済み核燃料や炉心から放射能漏れが危惧されています。福島を中心として関東圏では野菜や水道水が汚染されて大変なことだと思います。

キッズプレイスの関係者の一人として早く混乱が落ち着けば良いと思っていたのですが、むかし放射性物質を使って薬の実験を繰り返していた私としては、昨今のニュースを見聞して、どうにも居てもたってもおられず「むかし取った杵柄」とばかりに少々解説させて頂きます。子育てに役立つものではないと思いますが、拙文をご一読頂ければ幸いです。

テレビのニュースを見ていてほとんどの方は、水や野菜などの食べ物が安全なのかどうかという漠然とした不安をお持ちなのではないかと思います。
不謹慎な例えかもしれませんが、子供がお化けを怖がるのと同じように、大人でもちゃんと判断ができない状況を怖れるように思います。その結果として多くの人が精神的にストレスを感じるようになると思います。
子供の場合、本当にお化けがいればすぐに慣れてしまいますが、同じように放射能汚染も「危険」もしくは「安全」の判断がしっかりとつけば、私たち大人も冷静に行動できるのではないかと思います。

私たちの身の回りにはいろいろな物質があります。原発事故で話題となっているヨード131やセシウム137等をいきなり取り上げて説明しても良いのですが、ここではまず「水素」を例に解説させて頂きます。

水は酸素と水素からできていることは皆さんご存知だと思います。記号では「H2O」と書きますね。
このように水素はごく身近に存在しますが、私たちが単に「水素」と呼んでいるものは、厳密に言えば一種類だけでなく複数の“分身”が存在します。それぞれ水素として性質は同じでも「重さ」が違います。具体的には重さが1、2、3の3種類があります(ちなみにこの重さ(質量)のことを原子量と言います)。

普通に「水素」と言えば重さが「1」のものを言い、自然界では水素全体の99.9%を占めます。これに対し重さが2の水素は「重水素(ジューテリウム)」、3の重さを持つ水素は「三重水素(トリチウム)」という名前がついています。

この重さの違いの理由は少し難しくなりますが、水素の核(原子核)の中に、「中性子」と言う物質を何個余分に抱え込んでいるかによって重さが決まります。一般的な水素は中性子を持ちませんが(0個)、重水素では中性子を1個持ち、三重水素では2つ余分に持っています。

原子核の中に余分な中性子が増えると、当然、原子は不安定となり徐々に壊れて行きます。三重水素(トリチウム)の場合はベータ線という「電子」を放出して約12年かけて半分に減ってしまいます(この期間を半減期と言い、ベータ線を出して原子が壊れる様をベータ崩壊といいます)。

また一般的な水素に対し重水素、三重水素のことを「同位体」と言い、同位体の中でも放射線を出すものを放射性同位体(英語ではradio isotopeと書き、RIと略します)と言います。ここでは三重水素が放射性同位体にあたります(単に放射線を出す物質を放射性物質とも言います)。
重水素と三重水素は自然界に0.1%以下しか存在しませんが、人為的に作り出すことができます。ちなみに三重水素(トリチウム)化合物は私も実験で良く使っていました。

ここで原発の話に戻しますと、原発でウランが核分裂をすると200種類ぐらいの様々な物質が生まれます。その大半はアルファ線、ベータ線、ガンマ線…といった放射線を出します。ニュースで話題のヨード、セシウム、ストロンチウム、コバルト…etc.もこれらの放射線を出します。

放射性物質を考えるとき注意しないといけないのは、相撲でも横綱、大関、関脇、小結、前頭、十両、幕下、三段目、序二段、序ノ口…と格付けがあるように、放射性物質でも人体にとって危険なものからそれほど危険ではないものまで様々あります。
この放射性物質の危険度の“格付け”は、物理化学的性質、放射線の種類、半減期の長さ、体内での挙動…など様々な性質により決まります。一言で言えば様々な要件が多く複雑なことや、状況によって格付け条件が簡単に変わってしまうため専門家でも断定的なことが言いにくいのが本音です。

あくまでも私の独断と偏見による番付をご紹介すれば、例えば先のトリチウムはかなり安全な核種(幕下、三段目ぐらい)と言えます。後述のヨード131は中程度、セシウムやストロンチウム、コバルトと言ったものは大関、関脇、小結クラスではないでしょうか…。

ヨード131に関してはチェルノブイリ原発事故以降に5歳以下の子供で甲状腺癌の発症率が上がったことが疫学調査で分かっており、マスコミも大きく報じていることは皆さんもご存知のことと思います。しかしながら現時点で福島原発から出たヨードの身体への影響はあまり心配する程の量ではないと思います(無論原発施設のごく近隣は除きますが・・・)。理由は幾つかあります。

ヨード131は先述のトリチウムと同じようにベータ線という放射線とガンマ線という放射線を出します。ガンマ線はベータ線より貫通力が高いため細胞や遺伝子を傷つける能力が高い放射線と言えますが、ヨード131は半減期が8日と比較的短いため、測定後どんどん減衰していきます。また数ヶ月や数年といった時間的に長い間継続的に摂取するのでなければ発癌や遺伝への影響はかなり少ないはずです。

一方、私は1961年生まれですが、私が生まれた頃は今の福島原発より放射能汚染が深刻で危険な時代でした。当時は米ソの核開発が盛んな時期で大気圏中で核実験が繰り返し行われ、人類はヨード131より遥かに危険なセシウム137、ストロンチウム90、コバルト60…etc.と言った「死の灰」が混じった大気を毎日吸っていました。当時の日本人の成人がセシウムを体内に取り込んだ量はチェルノブイリ事故当時の10倍に迫ります。これは凄いことです。
にもかかわらず60年代に幼少期を過ごした私や当時子供だった人は今でも元気に生きています。

福島原発から出た放射能物質の灰は未だチェルノブイリより遥かに少ないのですが、3月21日、22日の降雨時に東京では核開発の最も盛んだった1963年の記録を一過性に上回りました。これは大変由々しきことです。
しかしそれでも繰り返して起こるのではなく、一過性の範囲内であれば危機的状況とは言えません。これ以上福島原発から死の灰が降らず、一過性で収まれば雨が降るたびに灰も自然と薄まることが期待できます。

今は福島原発が深刻な状況にありますが、このような事故が起きる前であれば、私たちはラジウム温泉やラドン温泉と言った温泉に気楽に出かけたのではないでしょうか。ラドン222はラジウム226からできる気体の放射性物質ですが、ラドン濃度の高いところで深呼吸すれば当然「体内被曝」します。実際、昨今の機密性の高いマンションではコンクリートや土壌から出てくる自然放射線による体内被曝の原因の半分をラドン222が占めています。

これは怖いことのように思いますが、一方でラジウム温泉やラドン温泉がリウマチや神経痛などの療養に良いことも事実です(放射線ホルミシス学説)。

このように放射性物質は危険と安全(有用性)の紙一重の性質を持っており、それらの性質を正しく理解し上手に使いこなして行く事が必要です。三陸沖地震を発端とする福島原発の事故は残念な事故ではありますが、一刻も早く終息するとともに、この苦い教訓が将来の安全な放射性物質の平和利用につながることを切に願っています。

また放射性物質について注目が集まっている今ですが、私たちの身の回りには放射性物質より怖い化学物質、いわゆる「環境ホルモン」が沢山あります。放射性物質は特定し、数値として計測することができますが環境ホルモンは特定すら難しい状況です。放射性物質ばかりに目を奪われて「木を見て森を見ず」とならないよう、子育て世代のお母さんお父さん方は常にアンテナを張って気をつけるべきかも知れません。

最後に放射性物質について分かりやすく解説された放射線科学センターのホームページをご紹介します。このサイトの「暮らしの中の放射線」は特におすすめです。身近に存在する放射性物質の性質や死の灰の影響についても分かりやすく解説されています。

放射線科学センター http://rcwww.kek.jp/index.html
暮らしの中の放射線 http://rcwww.kek.jp/kurasi/index.html

小笹長丘保育園から

3月になり少しずつ暖かくなってきて、もうそこまで春がやってきていますね。1月2月は雪や雨が降ったり、寒い日が続きなかなか外遊びを思いきりすることが出来ず子ども達も心なしか寂しそうにしている日が多くありました。まだ寒い日もありますが外遊びを多く出来るようになり子ども達は毎日「今日は外遊び出来るかな?」と楽しみにしています。

小笹長丘保育園では外遊びには3つのコースがあります。

1つ目は保育園の周囲をお散歩するコースです。これは寒い日や製作をしたりして時間が少ないときに行います。

2つ目は小笹南公園に遊びに行くコースです。保育園から歩いて5分のところに大きな公園があり、スベリ台やロッキング遊具、砂場に大きな広場もあり子ども達も大好きな場所です。やはりスベリ台が一番人気で小さいお友達も上手に滑れるようになり、何回も滑って楽しんでいます。

3つ目は鴻ノ巣山への探検コースです。鴻ノ巣山の遊歩道を登って自然観察をして、四季折々の草花や木の実を探したりします。秋にはたくさんのどんぐりが落ちていて、どんぐり拾いで楽しみました。そして高年齢児のお友達は頂上に展望台がありそこまで登って福岡の街を眺めています。天気が良い日は福岡タワーから海の中道まで見ることが出来る絶景のスポットで、みんな大興奮です。入園当初は小さかったお友達も今ではがんばって登ることが出来るようになり、大きく成長しました。

展望台に登頂
がんばって歩いてます

?

小さいお友達は広場で石ころ集めや木の実拾いをして遊んだりもしています。

この一年でみんな大きく成長していろいろな遊びが出来るようになりました。これからどんどん暖かくなって、過ごしやすい季節となりますのでたくさん外遊びをして、元気いっぱいに体を動かしていきたいと思います。

小笹長丘保育園から

2月23日(水)小笹長丘保育園で2月のお誕生日会をしました。2月生まれのお友達はT君1名で、ちょうどお誕生日会の日がお誕生日で2歳になりました。朝登園してきたときからすごくテンションが高くどうしたのか保護者の方に聞いてみると、朝誕生日プレゼントをもらったとのことで、それでうれしくて大興奮していたみたいですicon_biggrin.gif

お誕生日会が始まりT君が前に呼ばれて、先生が作ってくれた王冠とメダルと誕生カードをプレゼントされました。T君は最初少し恥ずかしそうにしていたのですが、プレゼントをもらうと大喜びでお友達に自慢するように見せていましたicon_lol.gif

お友達からハッピー・バースデイ・トゥ・ユーの歌でお祝をしてもらいました。T君は自分のこととは思っていなかったのか自分で拍手をして喜んでいました。その後は先生がT君の好きな車の絵本や「しあわせなら手をたたこう」の歌の絵本を読んでもらい、みんなで歌に合わせて手を叩いたり、足踏みしたりと楽しみました。お誕生日会の最後はみんなが大好きな「ぐるぐるどっかーん!」の歌に合わせて踊りました。お友達はみんな大興奮でおおはしゃぎでした。

子ども達は興奮冷めあらぬといった感じでしたが、お誕生日会も終わりとなり最後にもう一度T君に「おめでとう」と拍手してあげてお誕生日会は終了しました。

子ども達にとっては自分の誕生日ではなくてもお誕生日会は特別な日となるみたいです。また3月のお誕生日会で楽しい時間を過ごしましょう。

T君2歳のおたんじょうびおめでとうicon_razz.gif

2011年2月9日小笹長丘保育園から

今年も節分、豆まきがやってきました。去年はほとんどの園児が泣いて先生の後ろに隠れたり、鬼が近づいてくると「いやー!!来ないで」と泣きながら逃げ回っていましたが、さて今年はどんな豆まきになったのでしょうか?
1月に入り各ご家庭から牛乳パックを集めました。その牛乳パックを使い1月下旬に豆まきの豆を入れる「升」を鬼の顔に製作しました。牛乳パックに先生が画用紙を張り付け、そこにマジックやクレヨンで色付けをしていき、鬼の目やつのなどにも色を描き込んで自分たちで張り付けていきました。

高年齢児のお友達
低年齢児のお友達

高年齢児のお友達はさすがという上手な仕上がりで、低年齢児のお友達も目や口などずれたりもしていましたが、みんなそれぞれ個性が出ていてとてもかわいい升が完成しましたicon_lol.gif

2月3日節分の日が近づいてくるにつれて子ども達も少しずつ緊張していくのがわかりました。そして豆まき当日在園児の高年齢児のお友達は「今日こそ鬼を退治する」と朝からはりきっていました。今年度から入園したお友達はどんな鬼が登場するかわからず、つられて一緒になって「がんばる」とはしゃいでいましたicon_razz.gif「悪い鬼を退治しよう」と先生からみんなが製作した升に豆を入れてもらい、鬼退治の準備は整いました。

鬼退治の準備中です

そして園長先生とM先生が鬼に扮して登場しましたicon_evil.gifそのとたん子ども達の表情が一瞬にして変わりました。あれほどはりきってはしゃいでいたお友達が大泣きですicon_cry.gif

先生の後ろで顔を隠しているお友達や鬼が近づいてくると逃げ惑うお友達や放心状態のお友達とみんな大パニックです。中には泣かずにがんばって鬼に豆を投げているお友達もいましたicon_razz.gif

そんなお友達のがんばりもあって悪い鬼を無事退治することが出来ました。鬼がいなくなってもしばらくは泣き声が響いていましたが、少しずつ落ち着きを取り戻しようやく静かになったところで、園長先生とM先生がいつもの姿で戻ってきてみんなキョトンとしていました。がんばって豆を投げていたお友達は緊張の糸が切れたのか、先生に「なんで鬼なんかになるのよー!」「怖かったじゃない!」と泣きだしてしまいました。本当はすごく怖かったのに一番お姉ちゃんだから小さいお友達の為にがんばってくれていたみたいです。

こうして小笹長丘保育園では無事豆まきが終わり、悪い鬼がいなくなりました。ご家庭でも豆まきをしましたとお聞きして、みんな良い子になれましたね。子ども達に伝統行事を少しでも経験させて上げれて良かったです。来年はどんな豆まきになるか今から楽しみですね。

小笹長丘保育園から

新年明けましておめでとうございます。今年もキッズプレイス小笹長丘保育園・平尾大楠保育園共に職員一同がんばっていきますので、どうぞよろしくお願い致します。

平成23年新しい年を迎え小笹長丘保育園ではお正月遊びの一つでもある凧を製作しました。ビニール袋にいろいろな色のマジックで絵を描いたり、色塗りをしたりと子ども達一人ひとりが小さな画家になって自分の思うように描いていました。

小さいお友達も上手にマジックを持ち、楽しく製作が出来ました。

出来上がった凧をみて「早く凧揚げがしたいよー!」と凧揚げに行くのを楽しみにしていました。

1月の中旬まで雪が降ったり、天気が悪かったりとなかなか戸外に出ることが出来ず、子ども達もがっかりする日が続いてしまいました。そしてついに晴天の日がやってきました。「さあ今日こそ凧揚げに行こう」と子ども達も朝から大はしゃぎでした。みんなが作った凧を持ち公園に出発しました。公園までの道中も「楽しみ」とみんなウキウキでした。

公園に着くとみんな凧を持ちそれぞれ走りだしていきました。あいにく風が少し弱くあまり高くまでは揚がりませんでしたが、子ども達はみんな元気いっぱいに走り回っていました。icon_razz.gif

走り回って疲れたお友達はベンチで休憩する姿もありました(笑)なかなか上手に揚がりませんでしたが、子ども達はみんな楽しんでいました。

最近では凧揚げや羽根つき、こま回しにかるたなど、お正月の伝承遊びをする子が少なくなっていっています。小笹長丘保育園ではかるたやおはじきなど伝承遊びも取り入れて、これからも子ども達にいろいろな事を経験させてあげたいと思います。

薬煎院薬局から

icon_redface.gif猛暑で暑い日が続いていますね、今年は熱中症で病院に運ばれる人も例年より多いようですね。
久しぶりにキッズプレイスの薬局から、(ひょっとしたら)子育てに役立つかも知れない?話題をひとつ書かせて頂きます。icon_biggrin.gif

後で知ったことですが、以前私が書かせて頂いた記事がOKwaveなどで参照されているようです。気楽に書いたつもりでもネットの世界では知らぬ間に参照されることも起こりえますので、ちゃんとした論文などを調べて出典を書いた方がいいかな…、とも思います。
しかし今は単純に忙しいので、そのようなことはやめます(笑)。
ちなみに、しっかりとした医学文献などを調べたり、また読んでみたい方は、(私も昔よく使っていましたが、)ほとんど英語になりますが米国立医学図書館のPubMedなどが無料で使えてお勧めです。世界中の医学、薬学、生物学etc.の文献を参照でき、最新の遺伝子配列情報なども検索できます。

冒頭話が脇道にそれてしまいましたが、閑話休題です。私の娘は3歳になりますが、冷蔵庫で作った「角氷」を食べることが大好きです。ただ水を凍らせただけで何の味もしない氷ですが、歯ごたえが堪らないのか大好物で(2?3才くらい小さい子は好きな子が多いようです)、アンパンマンのコップで沢山角氷の入った麦茶を飲むことが風呂あがりの娘の毎日の日課となっています。
あまり与え過ぎてはいけないと考えて、与えないでいると20?30分泣き叫んで抗議するので、こちらも根負けして氷をあげてしまいます。
最近では親の目を盗んで、自分で冷蔵庫の製氷室をあけて勝手に盗み食いする始末ですicon_lol.gif

親としてはこのまま氷を与え続けていて大丈夫か…、氷を食べ過ぎると体が冷えて胃腸が弱くなるのではないかと心配になります。
しかし娘が氷を食べている音を聞くと、カリ、コリと、とても心地よい音がします(笑)。

話が変わりますが、娘の顎のあたりを手で触ると、顎が鋭角です(尖っています)。これは成長すると顎が小さくなる可能性があります。(顎が大きくなる子供は顎の先端が尖っておらず、丸みを帯びているので区別が付きます。この辺の区別の付かない方は歯医者さんで調べてもらうと良いと思います)。
つまり娘は、親(私icon_exclaim.gif)に似て顎が小さく、このまま成長すると歯並びも悪くなる可能性があります。特に最近の子どもたちは軟らかい食べ物を好んで食べる傾向があるため、永久歯がはえるに従って「乱食歯」になる可能性が大です。

当然ながら歯並びの悪さは容姿的にも良いものではありませんが、事はそれだけでは済みません。
歯並びが悪いと歯の隙間に食べ物のかすが貯まりやすいため虫歯の進行を速め、歯槽膿漏の原因となりかねません。また歯のかみ合わせが悪くなることによって、将来、「背骨」が曲がるリスクが高まりますicon_eek.gif。奥歯をシッカリと噛みしめることが出来ないと瞬間的に力を出すことができず運動能力にも影響がでてきます(一流のスポーツマンには歯並びが悪い人は少ないと言われています)。
背骨が曲がるとバランスのとれた筋肉の発達が望めず、余計な筋肉の緊張を招くことになり将来「頭痛持ち」の原因にもなりかねませんicon_redface.gif
しかし「顎が小さいこと」によって一番怖いことは、将来的に睡眠時無呼吸症になるリスクが高まることです。

顎が小さいと寝ているときに舌(ベロ)が喉の奥に落ち込みやすくなり、空気の通り道が狭くなって呼吸困難(睡眠時無呼吸症)を招きやすくなります。この睡眠時無呼吸症については、医学的な研究が進んでおり、この「病気」になりやすいのは肥満体質に加えて、「顎が小さい人」と言われています。

睡眠時無呼吸症になるといくらたっぷり寝ても疲れが取れません、またいつも日中眠たいため集中力も低下してきます。重症になると昼間でも突然、瞬間的に寝てしまうことがありますicon_eek.gif。私の知人も車を運転していて突然ガクンと寝てしまい、事故にあって2度死にかけた人がいます。

?小さな子どもの場合は睡眠時無呼吸症を考える必要はありませんが、お子さんが成長するに従って発症のリスクが高まります(若年性肥満が加わるとリスクがさらに高まると考えられます)。高校や大学ぐらいであれば、当然学校の成績にも影響が出ることが考えられます。また将来的に上の例のように命に危険を及ぼすことも起り得ます。

顎の小さいお子さんにとっては、特に永久歯が生える前に顎をシッカリと鍛えて少しでも顎を大きくしておくことは大切なことと言えます。

このような背景もあり、私は自分の考え方をあっさり変えてしまいましたicon_wink.gif
ひょっとしたら「顎」を鍛えるために有効ではないかと思って皆さんにもお勧めしたいのですが、顎の小さい3歳くらいまでのお子さんには「角氷」を与えてみてはいかがでしょうかicon_surprised.gif

1.5cm角の氷ぐらいの大きさになると、大人でも奥歯で「ガッリ」と砕くしかありません。これは顎を鍛えるにはちょうど良い刺激になります。硬いお煎餅や「皮付きのスルメ」を与えるという手もありますが、氷であれば歯垢が溜まることもなく、夏場ではちょうど良い水分補給にもなります。それに角氷はお煎餅やスルメと違ってほとんどコストがかからず、お腹が膨れることがありませんから比較的いつでも与えられます。

問題点として、お子さんが角氷を嫌いだと役に立ちませんが、スポーツドリンクなどを凍らせて角氷を作ると、味が付いてカリコリ食べれるかもしれませんね。

この夏は9月を過ぎても残暑が厳しいらしいので、娘には角氷を沢山あげようと思います(笑)。

 ここで若干専門的な私論を書かせていただきますicon_mrgreen.gif。顎が小さい人で睡眠時無呼吸症の症状がない人も沢山いると思いますが、そのような人は寝ている時に上側ではなく右向きや左向きなど、どちらかを横を向いて寝ていることが多い人ではないかと思われます。枕や布団などの寝具があっているかどうかにもよりますが、このような寝方が習慣になると背骨が曲がりやすくなるのではないかと私は考えています。つまり顎が小さくて背骨が曲がる原因の一つとして、睡眠中に安定して呼吸を確保しようとして無意識に横向きで(決まった方向を向いて)眠る癖がつき、このために背骨が徐々に変形していくように思えます。   この仮が正しいかどうかはきょうみのあるところであり、今後の専門家の研究結果を待ちたいと思いますicon_wink.gif

2010年4月9日薬煎院薬局から

このブログでは、キッズプレイスの保育園のお子さんの様子を紹介しておりますが、今日は薬局から子育て世代のお母さんとお父さんに役立つ(?かも知れない)話題提供です。icon_rolleyes.gif

キッズプレイスの薬局では色々な相談があります。中でも最近多いのはストレスについての相談です。うつ病気味で悩まれている方、夜なかなか眠れなくて病院で処方された睡眠導入剤を服用されている方や、ストレスでお腹が下痢気味の方、不妊症に悩まれている方、お子さんの疳の虫…など実に様々です。漢方薬の中にも不眠やイライラなどを鎮める処方があり、体質があっていると良く効きます(これらの処方は脳の中枢神経に直接働くことはなく依存性などはおこりません)。しかしお薬に頼るよりも前に、上手にストレスに対処する事に越したことはありません。そこで本日のタイトルの話題提供を思いつきました。icon_wink.gif

読者の皆さんは男性と女性ではストレスを受けた後の行動に大きな差があるのはご存知でしょうか。意外に知らない方が多いのですが、知らないと子育てを含めたいろいろなストレスに上手く対応できずに、家庭に亀裂が入るということもあり得るかも知れません。

要点を先に書きますと以下の通りです。
 男性はストレスを受けると、考え込むことによって気持ちを落ち着かせようとします。⇒考え込むことによってリラックスします。
 女性はストレスを受けると、誰かに話すことによって気持ちを落ち着かせようとします。⇒話すことによってリラックスします。
(この場合、男性も女性も成人を想定しています)

つまり男性と女性ではストレスに対する対処が違うということです。もちろんこの話は男性と女性という大まかなくくりによるもので、細部についてはそれぞれの個性や生まれ育った環境によって十人十色の違いがあります。

例を挙げてみましょう。icon_eek.gif
ご主人が会社から帰宅して、普段より極端に口数が少ない時にどういうことが考えられるでしょうか。お酒を飲み過ぎて頭がボーっとしていることや隠し事(浮気?!)なども考えられますが、単に仕事でストレスが溜まって自分なりに気持ちを落ち着かせようとしているかも知れません。この特性を理解していないと、奥さんはご主人のことを勘ぐったり、「無口で冷たい」と捕えるか、あるいは自分への愛情が冷めたのではないかと不安になって余計にご主人に話しかけるかも知れません。しかし、ご主人が(浮気などでなく)本当に仕事のストレスで悩んでいるときは、これは逆効果で、考える時間が欲しいご主人を余計イライラさせる結果となって喧嘩になるかも知れません…。

逆に、子育てなどでストレスが溜まった奥さんは、そのストレスを、帰宅したご主人と会話することによって解消しようとします(近所に親しい友人がいて、いつもお喋り出来ている場合は別です)。このことをご主人が理解していないと、上手に奥さんのストレス解消の相手役になってあげることが出来ません。仕事のこをと忘れて、奥さんの悩みやお子さんの話などを聞くことは、幸せな家庭作りのためにも大切なことを(世のご主人方は)肝に銘じておく必要があります。

より役に立つ具体的な対処法は色々な書籍などを参考にして欲しいのですが、思いつくことを簡単に述べておきます。
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男性が仕事や仕事上の対人関係などのストレスを抱えて帰宅してきたときは、そっとしておいて上げるのが一番良いかもしれません。自分なりに考えて結論を出すことが出れば普段のご主人に戻ると思います。しかし、もしいつまでも考え込んでいるようでしたら、これは大問題で、過労やうつ病の前兆かもしれません、お医者さんなどの専門家の門をたたく必要があります。

一方、奥さんが家事や子育ての悩みを抱え込んでいるときは、ご主人は奥さんの悩みを積極的に聞いてあげることが必要です。その際の「コツ」は、問題解決の方法を提示したりするのではなく、「考え方に同意(同情)してあげることです」。男性はとかく問題解決の方向に走りがちですが、ほとんどの場合、女性は問題解決法を知る以上に、自分の気持ちを知って欲しいと考えていることが多いようです。この点はとても大切なポイントです。

余談となりますが、女性の脳は、右脳と左脳を結ぶパイプ(脳梁 のうりょう と言います)が男性より太く、右脳と左脳の間で短時間に大量の情報を交換することができます。女性が男性より勘が鋭いのはこのためとする説があります。一方で短時間に情報が一気に流れるため情報が混乱しやすい(ヒステリックになりやすい)とも言われます。ご主人が浮気などの隠し事をして悩んでいるのか、それとも仕事のストレスで無口になっているのかは、奥さんが右脳と左脳の情報交換能力の高さを駆使して勘を働かせるとすぐにわかると思います。
一方、男性は脳梁が女性より細く、その分柔軟な考え方が苦手な人も多いとも言えます。歳を取るに従って頭が固くなると言いますが、女性の話をじっくりと聴く包容力(柔軟性)を低下させないためにも「脳トレ」が必要かもしれませんね。icon_confused.gif

今回の話題は子育てとは程遠いお話でしたが、現代社会にはお母さんお父さんを取り巻く様々なストレス要因が溢れています。上手く付き合うことによって家庭を守り、子育てのストレスも乗り切っていただきたいと思います。

2010年3月17日薬煎院薬局から

以前、このブログにて、虫歯がインフルエンザや伝染病などと同じ「感染症」であることを紹介しましたicon_rolleyes.gif。子供の虫歯は成長するに従って自然と虫歯になっていくのではなく、赤ちゃんの時に大人や兄弟から虫歯菌をもらう(感染する)ことによりおこります(虫歯が発症します)icon_eek.gif

虫歯は、赤ちゃんの口の中の細菌の分布状態(専門的には口腔フローラと言います)が決まる2歳ころまでの間に、外部から虫歯菌が感染することによって起こります。
赤ちゃんがお母さんのおなかの中にいる時、赤ちゃんの口の中は無菌状態ですが、お母さんの産道を通りオッパイを吸ったときから、赤ちゃんの口の中に細菌(乳酸菌など)が住みつくことになります。

ヒトの皮膚や口の中、また腸などには、様々な種類の細菌が住みついていて、これらを常在細菌と言います。つまりヒトは様々な種類の細菌と共存しており、常に無菌状態でいるわけではありませんicon_neutral.gif

口の中の細菌の種類や数の割合は生まれてから1歳半から2歳ぐらいの間でほぼ決まってしまい、それ以降は歳をとっても急に変わることはありません。生まれてから口の中の細菌の種類や数の分布が決定する2歳ぐらいまでに虫歯菌が口の中に大量に入ってこなければ、それ以降に例え虫歯菌が入ってきても、住みつくことは出来ず感染が成立しません。最初から住みついていない限り、突然入ってきたよそ者(虫歯菌)はそう簡単に住みつくことができないという訳です。

このため、赤ちゃんが生まれたら、2歳ころまで食事などの口移しはしない方が良いかもしれません(少なくとも注意が必要かもしれませんね)。2歳を過ぎれは例え虫歯の人から口移しをされても虫歯菌が感染して虫歯になることはありませんので、出来ればそれまで我慢された方が良いと思われます。

ここまでは以前のブログ記事のおさらいですが、もう1つ5歳くらいまでに気をつけないといけないことがあります。それはピロリ菌の感染ですicon_eek.gif

先日NHKの番組(ためしてガッテン)でも放送されていたので、ご覧になった方も多いと思いますが、ピロリ菌は将来、胃潰瘍や胃がんの原因となる細菌で注意が必要です。ピロリ菌は酸性の強い胃の中に住むことが出来る特殊な細菌で、正式名称は「ヘリコバクター・ピロリ」といいます。

ピロリ菌は誰の胃の中にもいるわけではなく、特に50才以上の方に多いことが統計学上分っており(約7割)、ヒトからヒト、動物からヒトへと感染します。以前は病院で胃カメラを撮影した時に、胃カメラ本体の消毒が不十分であったため、病院を中心として感染が広がったことがありますが、今では消毒が徹底されているためこのようなことはありません。

最近の若い人では感染率が少ないのですが、それでも完全にゼロではありません。詳しい感染経路はいまだ不明ですが、考えられる感染経路として、生まれてから5歳ぐらいまでの間に保菌者(ピロリ菌を持つ人)から食事の口移しなどで感染する可能性が指摘されています。その他には、動物との接触(唾液や糞を介した感染)などが考えられます。私は犬好きですが、やたら口を舐めたがるワンちゃんには少々注意が必要かも知れませんicon_lol.gif

虫歯菌を除菌することは非常に厄介ですが、ピロリ菌は抗生物質でほぼ除菌することか出来ます。その意味では虫歯菌よりピロリ菌の方がまだマシなのかも知れませんが、感染を知らずにいると将来胃潰瘍や胃がんとなる可能性もあり、留意する必要がありそうです。

赤ちゃんへの離乳食の口移しや小さいお子さんへの口移しは、親から子への愛情表現でもあるため、一概に否定することはできませんが、子供たちの側から考えると口移しによる愛情表現より他のスキンシップの方が嬉しいかもしれませんね。

以上、今後の子育ての参考にして頂ければ幸いですicon_biggrin.gif

参考情報:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』ヘリコバクター・ピロリ

2010年2月1日平尾大楠保育園から

平尾大楠保育園から歩いて2分弱のところにあるスーパーマーケットの「サニー那の川店」があります。1月31日(日曜日)、このお店で、生後数時間の男の赤ちゃんが女子トイレに捨てられるという、とてもかわいそうな事件がありましたicon_cry.gif

キッズプレイスのスタッフが日曜日の昼食の買い物にお店に行った時に、警察のパトカーが沢山とまっていて、店員さんがお店の中に入れてくれなかったそうです。スタッフの間では「殺人事件でも起きたのかな」などと冗談半分で話していたのですが、後で事件のことを知りビックリしました。

本来、家族に祝福されて生まれてくる筈だった赤ちゃんが、誰にも祝福されずビニール袋に入れられてトイレに置き去りにされるとは、本当にむごい話だと思います。
このこと書いていても、自分の母親に捨てられた赤ちゃんの心の苦しみや痛みが伝わってくるような気がします。

一人で行う子育ては分らないことだらけで苦しみの連続ですが、今回の事件も同じような共通点を感じます。どちらも自分一人で抱え込んで悩み苦しむことです。
しかしながら、自己責任の世の中とは言え、このような苦しみをわざわざ自分一人で抱え込む必要はあるのでしょうか…。
わからないことを沢山抱え込んで一人でノイローゼに陥るより、赤の他人でもいいから誰かに頼ろう、相談しよう、楽になろうと「決心」してしまうことが大切ではないかと思います。?恥も外聞もかなぐり捨てたときに初めて、悩みから解き放たれて、(自分自身も、自分の子供も)救われるのかも知れませんね。

赤ちゃんを捨てたお母さんは、日頃このスーパーを利用していた人だと思いますが、今どこかで罪の意識にさいなまれていると思います。
少しでも早く名乗り出て、奪った命の償いをして欲しいと思います。

キッズプレイスの近くでこのような痛ましい事件が起きるとは思ってはいませんでした。
かわいそうな赤ちゃんの冥福をお祈りいたします。

合掌

2009年9月26日薬煎院薬局から

icon_surprised.gificon_razz.gif キッズプレイスではこれから年末にかけていろいろな行事があります。秋の親子遠足、12月の発表会、クリスマス会などです。現在、長丘園と平尾園の先生方は遠足をどこにしようか、どんな遠足にしようかと計画中です。去年は長丘園の親子遠足があいにくの雨で室内でのレクレーションとなりましたが、今年は晴れて外で沢山遊べるとよいと思います。

 そんな忙しい先生方に代って、キッズプレイスのブログの役に立つべく、私ごとで大変申し訳ないのですが、9月のつらい出来事を書かせて頂きます。ちなみに、「私」とはキッズプレイスの薬局の薬剤師(通称カンポウ先生、男性)です。icon_neutral.gif

 実は9月は、これまで私を支えてきてくれた同じ薬剤師の母に先立たれ、私にとってはとても悲しい月となりました。今年の2月に黄疸が出て自宅の近くの病院で診察を受けたところ膵臓ガンと分かり、福岡市の中心部にある済○会病院に緊急入院したのですが、今月7日に他界しました。入院してわずか7か月ほどでした。享年73才でしたので、女性の平均寿命より10年以上短く、そのことが悔やまれます。icon_cry.gif

 膵臓ガンは特に分かりづらいガンで、発見された時には手遅れということが多いのですが、母の場合は幸い他の臓器への転移が見られないStage Iでしたので、腫瘍さえ摘出すれば5年以上生きられると思われていました。膵ガンの5年後の平均生存率は10%程度ですので、運が良いと家族は喜んでいたのですが…。

 私は製薬会社で7年ほど消化器系の薬剤(新薬)の探索研究を行っていましたので、国内外の学会にも良く出かけていました。それゆえ病院のドクターがどのような処置を行い、何の目的でどのような薬物を投与したか、およその意図が分かります。

 話が専門的になりますので途中は端折りますが、読者のみなさんには『重い病気であるほど、患者である私たちは、“名医”を探す努力を惜しんではいけない』ということを強くお伝えしたいと思います(名医とは優れた技術を持ち、患者の気持ちを分かる医師と思います)。
 そのような努力を怠っていなかったら、ガン以外の原因で母を失うことはなかったと思うからです。今ではいくら悔やんでも母は戻っては来ませんが、後悔しきりです。?

暗い話題となりましたが、嬉しいことも一つありました。icon_smile.gif
 私の薬局にはお子さんが欲しくてもなかなか出来なくて相談されに来るお客さんが少なくありません。
 これまでも多くの方にお薬(漢方薬)を処方して不妊治療を行って参りましたが、今月になって、あるお客様から妊娠されたとの嬉しいお便りを頂くことができました。その方は福岡の方ではないのですが、このブログを紹介したため、ひょっとしたらこの記事をお読みになるかも知れませんが、憔悴していた私にとって妊娠されたとのお便りを頂くことができて、とても勇気づけられました、ありがとうございました。

 消える命があれば、新しく生まれる命もあることは自然の節理ですが、今はその方の赤ちゃん(新しい命)が無事に誕生されることを願わずにはおられません(次の嬉しい便りを心よりお待ちしております)。

 最後に、忙しい中、母のお通夜に会葬して頂きました関係者のみなさん、スタッフのKさん、また保育園のAちゃんのお母さんとお父さんに、この場を借りまして再度、厚くお礼を申し上げます。ありがとうございました。

2009年8月16日薬煎院薬局から

😯
前回は小さなお子さんの水分補給について記事を書かせて頂きましたが、今日のお話はその続編として、子育て世代のお母さん、お父さんの水分の過剰摂取の落とし穴について書かせて頂きます。

小さいお子さんや高齢者の方には、熱中症の予防のため、特に夏場は小まめな水分補給が必須となります(前回のブログ記事を参照されて下さい)が、しかしだからと言って必要以上の水分の摂りすぎは体にとって決してよくありません。
水分の過剰摂取は秋以降にかけて体の変調となって現れてきますが、これらの変調は小さいお子さんより、むしろ子育て世代のお母さん、お父さんで顕著に現れます。
そこで今日は、子育て世代のお母さん、お父さんの水分の過剰摂取に焦点を当てて書かせて頂きます。健康のために意識して1日2?3Lの水を飲まれている方などは、特にお読み頂きたいと思います。

キッズプレイスの薬局では、最近、体がだるい(倦怠感)、気力がでない、汗を多くかく(多汗症)、食欲不振、アトピー性皮膚炎、花粉症、めまい、耳鳴り、冷え性、むくみ、軟便などを訴えてこられるお客さんが多いです。

特に上記のような症状がある方に、「水分を多く取られていますか?」「汗かきですか」などと質問することがあるのですが、そうするとおよそ7?8割の人が「どうしてですか?」「そう言えば水(お茶、ビール)をよく飲みます(飲むのが好きです)」という答えが帰ってきます。中には「友達から1日1.5?3Lの水を飲むようにすすめられて、頑張って飲んでいます」、「最近体が疲れて気力が湧きません」などの答えが返ってきます。
尋ねられたお客さんにしてみれば、症状を聞いただけでどうして分るのだろうと不思議がられますが、上記の症状が2つ以上あてはまる場合、この質問が良く当たります。この問いを投げかけることにより、患者さんが東洋医学(漢方)で言うところの「水毒症状」であるかどうか、およその察しがつきます。

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水毒症状とは、漢方でよく耳にする言葉ですが、簡単に言えば体の中の「水」の要素のバランスや循環が崩れている状態を言います。この状態に陥ると、一見すると互いに関連性のないようないろいろな変調が体に現れて来ます。

漢方で体の状態を診る時の着目点の1つとして「気・血・水」(き・けつ・すい)があります。初めて聞かれる方にはなじみのない言葉ですが、特に難しいことではありません。紙面の関係もあり、ここでは簡単にご紹介します。
「気」というのは、生命を維持していくために体が持つエネルギーのことです。元気の「気」と同じで、これが低下すると病にかかりやすくなります。また体の中で気の分布が偏ると、例えば上半身への偏りであれば「のぼせ」などとして現れます。
「血」とはそのまま体の中を流れる血液のことを指します。むかしから婦人病のことを「血の道症」といいますが、婦人病では子宮を中心とした血液の循環が滞ると(この状態を「お血」と言います。)生理痛や不妊などの症状となって現れます。
「水」とは、リンパ液、消化液、汗、唾液、尿など、体の中の血液以外の体液を言います(水は津液とも言われます)。
これら3つは密接に関連し合っているのですが、中でも「水」の過不足が起きたり循環が滞ったりすることを「水毒」といいます。
水毒がひどくなると、リンパ液、消化液、汗、唾液、尿などの「水」の要素をキーワードとした様々な症状が現れるようになります。

例えば、リンパ液は免疫に深くかかわる「水」の要素ですが、これに変調が及ぶと花粉症、アトピー性皮膚炎、喘息、リウマチなどの免疫系の疾患となって現れてきます。またリンパ液は平衡感覚をつかさどる耳の奥の三半規管の中にもある為、めまいや耳鳴りといった症状に波及します。
同じ「水」でも消化液に変調が及ぶと胃潰瘍、胃下垂、過敏性腸炎などが起こり、食欲が落ちたり軟便が続いたり便秘と下痢を繰り返すなどの症状をともなうことがあります。また汗や尿の変調は多汗、冷え性やむくみとなって現れます。

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最近の水毒症状の方の共通点として「水分摂取量が多い」ことが挙げられます。喉が乾きやすく(これを口渇[こうかつ]と言います)水分を摂ることが「癖」(生活習慣)になっている方や、「水分をたくさん取ると健康になれる」と信じてしまっておられる方が多いようです。
確かに痛風などの病気で尿酸値が高く、体の中の尿酸の排泄を促進するためにお医者さんから水を良く飲むように言われている方もおられると思いますが、そうでなければ注意しないと水毒症状のフルコースを歩む危険性があります(経験的に水毒症状はいま現れていなくても、いずれ順を追って現れることが多いようです)。最も怖いのは、体力と気力が減退して「うつ病」などの精神症状もしくはその一歩手前まで行くことです。

ここで大切なことは、水分を摂取することが悪いと言うことではありません。夏場は特に水分をこまめに取ることが必要ですが、それに乗じて、または間違った情報を信じて水分を「摂り過ぎること」によって思わぬ症状(水毒症状)に陥ることの警鐘を鳴らしたいのです(その理由として、上記のような相談が最近特に多いためです…)。
特に1日に2Lぐらいミネラルウォーターをペットボトル単位で飲まれている方や、喉が渇いて、ジュースやお茶、お酒などを一度に沢山飲まれる傾向のある方などご注意頂きたいと思います。

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水毒については、本当であればもっと丁寧に書かなければならないと思うのですが、歯止めが必要と思っています。つまり、このブログに書くことが場違いという自責の念に加え、量的にとても書ききれません。もし上記のような症状で思い当たる節がある方がおられましたら、お近くの漢方薬局(もしくは漢方外来のある病院)に行ってみてください。精通された先生なら1?2時間ぐらいかけて解説して頂けると思います。そこまでしなくてもさらに詳しい情報を知りたい方は、インターネットを検索するか、本屋さんで漢方についてやさしく書かれた解説書などを読まれることをお勧めします。

😉
最後に余談ですが、漢方では水毒症状の患者さんに対して「利水剤」「駆水剤」というような生薬(もしくは処方)を用いてこれを治療します。このような知識を持って漢方薬局(もしくは病院)に行かれると、(あくまでも推測ですが)診る方の先生も「この患者さんはただ者ではない…」とより真剣に見てもらえるかもしれません。

夏真っ盛りで水分摂取が多くなりますが、摂り過ぎを注意して頂いて、秋以降の体調維持の参考にして頂ければ幸いです。

2009年7月17日薬煎院薬局から

😯
キッズプレイスには保育園の他に薬局があります。保育園の行事の隙間を埋めるように、時折、子育てに役立つと思われるトピックスを薬局のスタッフが紹介しています。
しかし、その内容はスタッフの独断と偏見に基づいたものですので、すべての方に役立っているかどうかは分りません…。さらに、ブログの記事は多角的に分析するなど周到に準備して書いているのではなく、どちらかと言えば少々軽い気持ちで書かせて頂いていますので、内容について100%保障することができません。このことを頭の隅に入れて頂いて、以前ブログに書いた記事を読まれた読者の方からから頂いた質問にお答えいたします。

😐
質問は、このブログでも2回ほど取り上げています「インフルエンザに麻黄湯」についてで、「風邪のひき始めに良いと言われている葛根湯と麻黄湯ではどちらがインフルエンザに良いですか?」というものです。数日ほど前に直接メールで質問を頂きました。この質問はとても良い質問でしたので、質問者に了解を得てブログでお答えするようにしました。

😕
早速、回答を書かせて頂きたいところですが、前置きを2つだけ書かせて頂きます。

1.ブログでキッズプレイスでは、いたずら防止の目的で、ブログへの質問を直接行えないようにしております。このため、直接電子メールで質問を頂きました。質問を頂くということは、読んで頂いている読者の方がおられるということで、書き手としてはとても嬉しいことです。T様ありがとうございました。

2.漢方についての質問は、本来、子育てと関係ないように思われがちですが、漢方薬は重篤な副作用が少なく、お子さんの病気などにも良いと信じて書かせて頂いています。しかしながら病気に関して、少なくとも私はお子さんの病気を直接見ることができませんので、記事を鵜呑みにすることなく主治医の先生の指導に従ってください。

🙂
お待たせしました、麻黄湯と葛根湯についてお話します。
この2つの処方には、生薬の「麻黄(マオウ)」が含まれていて、インフルエンザのひき始めに服用すると、新薬の抗インフルエンザ薬と同じぐらい効果があることが学会で報告されています。

ではどちらが良いのでしょうか。
麻黄湯と葛根湯は、良く似た処方ですが症状や体質によって使い道が若干違います。
これらの処方は、今から2000年ぐらい前に書かれた漢方の古典「傷寒論(しょうかんろん)」という書籍に書かれています。解説は割愛しますが、詳細を知りたい方は傷寒論について書かれた解説書を読まれることをお勧めします(傷寒論自体は漢文で書かれています)。傷寒論には私の偏見が入らない漢方の奥義が書かれています(ここでは「証」などの考え方を使わずに解説します)。

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“一般的に、”漢方薬は、含まれる生薬の数が少ないほど作用の切れが強くなります(強く作用します)。普通に考えると生薬の数が多いほど、いろいろな成分が作用して病気に効きそうな気がしますが、実際は逆と言えます。漢方薬は生薬の数(これを薬味と言います)が少ないほど、含まれている生薬の効果がストレートに出やすくなり、薬味が多いほど互いの効果が緩和されてマイルドになります。

麻黄湯は、麻黄(マオウ、4)、桂皮(ケイヒ、4)、杏仁(キョウニン、3)、甘草(カンゾウ、1)の4つですが、
葛根湯は葛根(カッコン、8)、麻黄(マオウ、4)、生姜(ショウキョウ、1)、大棗(タイソウ、4)、桂皮(ケイヒ、3)、芍薬(シャクヤク、3)、甘草(カンゾウ、2)の7つです。括弧の数字は生薬量を示しています。

このことから麻黄湯は葛根湯より作用が強く現れやすいことがお分かりだと思います。

麻黄湯ですが、体力があって胃腸の強い人に適しています。このためお年寄りや、体力の消耗が激しい場合などには慎重を要します(後述の汗をたくさん書いている状態も体力の消耗が激しい状態に相当します)。
さらに麻黄には心臓の働きを高める成分が含まれているため、心臓疾患や高血圧の治療を受けている方が服用される場合は医師または薬剤師に相談すべきです。一方、葛根湯は麻黄湯より体力がなく、どちらかといえば胃腸の弱い方に向いています。

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葛根湯は胸から上の炎症を抑える効果に優れ、肩こりや、風邪(インフルエンザ)による筋肉や関節の痛みがある場合、喉や鼻の痛みなどがある場合に効果的です。また下痢などの症状があるときも葛根湯が適しています。
葛根湯には生姜(ショウキョウ)という生姜(しょうが)を乾燥させたものが入っていますので、これが大棗(タイソウ)などの生薬と奏功して体を温めてくれるので、悪寒がするような時にも効果的です。

葛根湯も麻黄湯も汗を出すようにして病気を治しますが、特に麻黄湯はこの作用(発汗作用)が強く出ますので、既に汗がたくさん出ている人に飲ませると体力を消耗することになり良くありません。

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葛根湯と麻黄湯に含まれる「麻黄」には、A型インフルエンザウイルスに対する増殖抑制効果が実験的に認められており(学術文献;Mantani, et al: Antivir Res: 44(3); 193-200, 1999)、この力をインフルエンザに生かすためには、薬味の少ない麻黄湯の方が向いていると考えるのは道理だと言えます。しかし、胃腸が弱かったり、下痢気味であったり、体力がない場合や筋肉のこわばりなどの症状がある場合は葛根湯がおススメです。

一方、さらに体力のない高齢者などには、葛根湯より「麻黄附子細辛湯(まおうぶしさいしんとう)」が良い場合があります。
麻黄附子細辛湯は、麻黄(マオウ、4)、細辛(サイシン、3)、附子(ブシ、1)が含まれています。

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これは麻黄湯よりさらに薬味が少ないので、麻黄の作用が現れやすくなっています。
麻黄湯より薬味が少ないので、さらに体力がある方むけの処方のように思われがちですが、「附子」が含まれているため、体力のない方むけの処方となっています。この附子とは、猛毒を持つトリカブトの根を乾燥させたものですが、煎じることによってその毒性は1/1000?1/2000まで減じられ、虚弱な方にエネルギー(気)を与え体を温める作用をもたらします。漢方薬の中で、この附子が入っているものは、虚弱体質の方向けの処方が多いです。
麻黄附子細辛湯の麻黄と附子に含まれる成分は、血圧を上昇させるように働くため、高血圧気味の方には使えません。

長くなりましたが私が知っていることで、頭の中に思いつくところを書きました。参考になれば幸いです。
次回は、以前予告しておりました、水分摂取と水毒の2回目について近日中に書かせて頂きます。

2009年6月17日薬煎院薬局から

😕
キッズプレイスでは7月から子どもたちの楽しみの「プール」が始まりますが、福岡では梅雨入りが宣言されたにもかかわらず?、どういう訳か雨が降りませんね。これには少し困ったものです…。

小笹長丘園でも平尾大楠園でも園児さんは園内でみんな元気に走り回っています。遊びまわっている子供たちはいつも元気いっぱいで、園内では汗だくになっています。赤ちゃんも、この季節になるとたくさん汗をかいています。

🙄
今回は2回に分けて、(1)子供たちに必要な水分補給と、(2)お母さんやお父さんの水分の摂りすぎによって起こる「水毒」について書かせて頂きたいと思います。

<子供たちに必要な水分補給について>
小さなお子さんを持つお母さんなら、子育てのための雑誌や育児書で小さなお子さんが脱水症状になりやすいことを一度は目にされたことがあるのではないでしょうか…。

2歳未満の子供をお持ちのお母さんは、特に夏場の脱水症状に気をつける必要があります。

大人であれば腎臓によって体外に排出される水分量、つまり「おしっこの量」を調整して、体内の水分量をコントロールできるのですが、子供はこのような腎臓の水分調整機能が未発達なため(大人の約半分程度)、体中の水分が余計におしっことして出てしまい脱水状態が起きやすくなります。

😯
大人でも24時間水分を取らないと、死にそうなくらい喉が渇くと思いますが、赤ちゃんではこの大人の24時間が7時間くらいの時間に相当します。つまり赤ちゃんは大人の3?5倍のスピードで体の水分が不足していきます。具体的な量では、大人の1日の水分必要量が、体重1kgにつき30-50mLとなっていますが、生後1ヵ月から1才未満の乳児で120-150mLです。また1才から6才の幼児で100-120mLとなっています。
(上記の水分量は食事から摂る水も含まれます)

もし夜中に一度も起きない親孝行な赤ちゃんがいたら、それは大人でいえば24時間以上水分を取っていないことになります。そう考えると赤ちゃんが喉が渇いて夜泣きをするのも仕方ないと納得できるかも知れませんね…。ちなみに我が家では、娘が赤ちゃんだった頃、寝る前に欲しがるだけミルクを飲ませていました。ほとんどミルクを飲みながら寝てしまっていましたが、夜泣きをすることがほとんどありませんでした。

水分が失われるときに、同時に塩分も失われます(特にナトリウムイオン、記号ではNa+と書きます)。ヒトの血液は100mL当たり0.9gの食塩を溶かした水と同じぐらいの濃さがあります(正確に言うと血液とおなじ浸透圧があります、生理食塩水とも言います)。海水よりは薄いので無理して飲めないことはありませんが、飲料用としては塩分が濃すぎます。
子供たちには乳幼児用イオン飲料などが売られているので、このようなものがお勧めですが、お金をかけなくても家で作った麦茶にほんの少量の塩を(100?200mLに耳かき0.5?1杯ぐらい)入れるとよいかも知れません(ただしこれは夏場の暑い時だけにしておいてください)。

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夏場は水分補給の他に、できるだけ新鮮な果物を食べるとよいと思います、天然型のビタミン、水分、糖分、塩分に加え、ポリフェノールやクエン酸などの体に良い有機酸などをたくさん摂ることができます。

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以上のように、小さな子供達には、夏場の水分摂取が特に大切ですが、同様に大人でも小まめに水分補給をすることが、熱中症などの予防の観点からも大切になります。
しかし、大人の場合は、水分をむやみやたらに取り過ぎると思わぬ“副作用”があります。

最近は、マスコミの影響なのか「血液さらさら」であることがブームとなり、1日に1.5Lや2L、はたまた3L?の水分を取ることが良いように言われていますが、やはり「過ぎたるは及ばざるがごとし」の格言通り、徐々に水毒症状が現れてきます。

😯
次回は過剰な水分摂取が招く、「水毒症状」についてブログを書かせて頂きます。

2009年5月20日薬煎院薬局から

🙁
今年の初めに季節性のインフルエンザについてブログの記事を書きましたが、5月に同じような記事を書くとは思っておりませんでした。この記事を書き始めた時点では、ブタ由来のA型インフルエンザ(新型インフルエンザ)が関西地区で広がりを見せつつあり、テレビではマスクの売切れが続いているというニュースが流れています。

インフルエンザウイルス自体は生化学的にそれほど強いウイルスでないので、うがい薬でうがいをしたり、手を石鹸で洗うことで簡単に死滅します。インフルエンザウイルスの表面は薄い膜(エンベロープと言います)で覆われており、石鹸などで簡単に壊れます。
マスクについては、インフルエンザにかかっている人が咳やくしゃみをした時にウイルスを含んだ飛沫(エアロゾル)が周囲にまき散らされることを防止するためには有効ですが、空中を漂うウイルスを吸いこまないようにするためには効果が薄いかも知れません。ただし喉を乾燥させないようにすることで、ウイルスに対する抵抗性を上げることにはプラスに働くと思われます。
いずれにしても、インフルエンザウイルスを吸いこんだら、瞬間的に感染するわけではないので、マスクをしていても、してなくても、人ごみを歩いた後はうがいや手洗いがとても大切になります。

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またつい最近、大学病院などの医療機関で、A型インフルエンザに有効性と報告されたとの新聞報道を受け、キッズプレイスの薬局でも、漢方薬の麻黄湯がとてもよく売れています。10個ほどあった麻黄湯の錠剤がなんと1日で無くなりました。ほとんどは関西方面からのお客さんからの注文です。想像するに、関西方面ではかなりインフルエンザの流行が不安をかき立てていると思われます。

🙂
数回に渡りブログで紹介してきましたが、麻黄湯はタミフルと同じぐらいインフルエンザの症状を緩和し、発熱時の解熱剤の投与量がタミフルより少なくて済むなどのメリットが報告されています。
また、タミフルの小児への投与には慎重さが求められていますが、抗インフルエンザ薬が登場して数年であることに対し、麻黄湯の歴史は約2000年近くありますから、安全性に関する実績の点では麻黄湯の方が遙かに有利と思われます。

小さいお子さんにとって、インフルエンザは、肺炎だけでなく脳炎(インフルエンザ脳症)を引き起こす大変怖い病気です。これはインフルエンザウイルスの感染に伴って脳炎を発症するもので、1-5歳の乳幼児がインフルエンザ脳症に罹ると、致死率は20-40%と言われています。また運よく助かっても脳に麻痺が残るかも知れません。

😳
インフルエンザ脳症の発症や、解熱剤を使うことにより起こる2次的な障害を減らすためにも、小さいお子さんにとってインフルエンザによる発熱期間を短縮することはとても重要なことです。発熱期間を短縮し、解熱剤の投与回数も減らせるのであれば、麻黄湯はインフルエンザに期待できるお薬と考えられます(少なくとも私はそう考えています)。

一方、キッズプレイスのある福岡でも、新型インフルエンザの流行が拡大すれば、保健所への相談申込みの殺到や、病院も患者さんで溢れることが予想されます。当然、薬局でも麻黄湯が売切れる可能性がありますから、もしもの時に備えて、前もって一瓶ぐらい準備される方が良いかも知れません。
値段は350錠約20日分で3200円弱ぐらいです。参考 なお麻黄湯の錠剤は3?4年保存でき、現在流行しつつある新型インフルエンザで麻黄湯を使う機会がなくても、冬に流行する季節性のインフルエンザにも有効です。

😉
麻黄湯の服用については、とても大事なことが2つあります。
1.麻黄湯にしてもタミフル等の抗インフルエンザ薬にしても、インフルエンザのひき始めの段階(ウイルスが増殖する前)に服用しなければ意味が無く、高熱が出てしまった後では効きません。つまり熱が出てから慌てて薬局で買い求めても手遅れです。

2.現在の新型インフルエンザは季節性のインフルエンザと同じく、弱毒タイプのものですが、インフルエンザウイルスと細菌が同時に感染している場合(混合感染と言います)、特に黄色ブドウ球菌等の場合は症状が重篤化し易くなります。
5月は日中の気温の差が激しい日が多く、寝ている時にお子さんが布団を脱いでしまうことが多いのですが、寝冷えによって少し風邪気味であったり、青鼻をたらして咳をしているような時にインフルエンザウイルスに感染すると重篤化する可能性がありますので、このような場合は(保健所の発熱相談センターに先に相談し)病院に直行されて下さい。

5月は晴天が続いて空気が乾燥しているため、インフルエンザウイルス流行りやすい環境が整っていますが、6月を迎えて湿度が高くなれば徐々に治まって来るものと思われます。しかしながら冬になるとまた同じインフルエンザウイルスの脅威に晒されます。A型インフルエンザウイルスは、遺伝子がとても変異しやすく、人から人に感染している間にも強毒化することも考えられるので、今後も注意が必要と言えます。

一方で、日頃から生活のリズムを整えて、病気に負けない体力作りが必要かも知れません。病気に負けない、インフルエンザになっても乗り越えられる基礎体力をつけることは、これからの子供たちにとって、とても重要なことです。