白目(白眼)の黒い点
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キッズプレイスで、時折、登園の際に目を腫らして来る園児さんがおられます。
いたずらでもしてお母さんに怒られたのかと思って、お母さんにどうしたんですかと訪ねてみると、「朝起きる時に目やにがいっぱい出てました」、「目が開かなくて大変でした」とのことでした。
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目が腫れるのはお子さんが泣きすぎたせいか区別がつきませんが、目やにが大量に出るのは目の中に菌やウイルスが感染して結膜炎を起こしている可能性があり、すぐに眼科の受診をお母さんにすすめました。
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ここからはあくまでも経験談ですが…、結膜炎を放っておくと白目に星のような「黒い点」ができることがあるようです。
実は私も小学校の頃に、朝、目が開かないくらい一晩で「目やに」が出たことがあります。また時々目やにがたくさん出ることがありましたが、後々気づくと白目の中に黒い点が出来ていました。幸い瞼の裏側に当たる部分であったため、見かけ上、白目はきれいなのですが、友達の中には明らかに白目の中に黒い点がある人がいました。
この白目の中の黒い点は、特に視力に影響を及ぼすものではなく、ホクロと同じようにメラニン色素が沈着したもののようです。放っておいても視力には影響ないのですが、白目に黒い小さな点が出来るために気になるといえば気になります。
メラニン色素はチロシンというアミノ酸から作られ、人の体を紫外線などから守る働きをします。黒人の肌が黒いのは、強い紫外線から皮膚を守るために、メラニンが沢山作られているためです。日本人の髪の毛が黒いのもこのメラニンによるものです。ちなみに遺伝的にメラニン色素を作れない場合を「アルビノ」といい、動物でも人でも見かけ上まっ白になります。
さらに余談ですが、メラニンとメラミンは1字違いですが全く別物です。後者は中国でミルクの中に混入されて社会問題となりましたが、プラスチック(樹脂)の1つです。
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話が少しわき道にそれましたが、もし小さなお子さんが、普段より目やにをたくさん出しているようでしたら、お子さんのきれいな目に黒い点が出来ないようにするために、早めに眼科に行って治療してもらいたいと思います。
しかし運悪く、眼科が閉院している時間帯などであれば、応急処置的にドラックストアなどに行って、「サルファ剤」という抗菌成分が入った「ものもらい用の目薬」を購入して、繰り返し点眼するとよいと思います。
サルファ剤は抗生物質よりも歴史が古く、人類が一番最初に発明した抗菌剤ですが、バイ菌(細菌)の感染症に対してそれなりによく効きます。細菌性の結膜炎であればこれだけでも治ることもありますが、サルファ剤はウイルス性の結膜炎(例えばアデノウイルスによって起こる流行性結膜炎など)には無効です。従って安心することなく早めに眼科を受診するようにして下さい。
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実は、偶然にもこの記事を書き始めた直後に、私の娘が結膜炎になってしまいました。目やにが多く出て、目の周りにべっとり付いています。鼻風邪をひいて鼻水を出していたため、バイ菌が鼻から目に移ったようです。
しかし、運が悪ことに、娘の目やにに気付いたのが土曜日の午後8時近くで、こんな時間では眼科はどこも開いていません。仕方ないので、近くのドラックストアで「ものもらい用の目薬」を買って繰り返し点眼することにしました。サルファ剤が効いたのか、幸い翌日には目やにの量が減りました。
出来すぎた話ですが、本当のお話です。
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目薬に対して最初に子どもに恐怖心を与えてしまうと、目薬をさす度に大泣きして目薬が涙で洗い流されてしまうので上手い方法を工夫する必要があります。
小さいお子さんでは、目薬を上手くさすのは至難の業ですが、私の家では次のように工夫しました(ちなみにうちの子供は1才10ヶ月です)。
子供を仰向けに寝かせ、頭を固定して目頭(めがしら、目の鼻に近い方の端)に目薬を2滴ほどたらします。このとき子供は嫌がりますが、子どもに「イチゴ食べる?」と問いかけます。
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イチゴはうちの娘の大好物で(笑)、その瞬間にぱっと目を見開いて、目薬が眼球に広がります。この後、ご褒美にイチゴを1?2つぶ食べさせます。
また、目薬の後で、目薬の容器を娘に渡して触らせ、「この目薬をしたんだよ」と目薬をしたことを積極的に教えます。
結果的にイチゴで餌づけをしたのが良かったのか(笑)、何をしているのかを認識させることがよかったのか、これを繰り返していくと目薬をほとんど怖がらなくなりました。最後は目薬の容器を見せるだけで自分から仰向けに寝るようになりました。
さらに小さいお子さんの場合は、仰向けに寝かせ、頭を固定して目頭に目薬を2滴ほどたらし、少しの時間そのままにしておくのがよいかも知れません。大泣きさえしなければ、この方法でも目薬が自然と目の中にしみて行くと思います。どうしても怖がるようでしたら、熟睡している時に目頭に2?3滴ほどたらして点眼すると良いかも知れません。
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なお目薬を使う時は、目薬容器の先端が目や指に触れないように、清潔さを保つようにして下さい。まれに、目薬の容器の先端を目頭にあてて目薬をさす方がおられますが、これは容器の中にバイ菌が入って汚染される危険性があります。
結膜炎は季節に関係なく1年中見られますから、目が充血したり目やにが多めに出ているときは気を付けてみてください。