このブログでは、キッズプレイスの保育園のお子さんの様子を紹介しておりますが、今日は薬局から子育て世代のお母さんとお父さんに役立つ(?かも知れない)話題提供です。
キッズプレイスの薬局では色々な相談があります。中でも最近多いのはストレスについての相談です。うつ病気味で悩まれている方、夜なかなか眠れなくて病院で処方された睡眠導入剤を服用されている方や、ストレスでお腹が下痢気味の方、不妊症に悩まれている方、お子さんの疳の虫…など実に様々です。漢方薬の中にも不眠やイライラなどを鎮める処方があり、体質があっていると良く効きます(これらの処方は脳の中枢神経に直接働くことはなく依存性などはおこりません)。しかしお薬に頼るよりも前に、上手にストレスに対処する事に越したことはありません。そこで本日のタイトルの話題提供を思いつきました。
読者の皆さんは男性と女性ではストレスを受けた後の行動に大きな差があるのはご存知でしょうか。意外に知らない方が多いのですが、知らないと子育てを含めたいろいろなストレスに上手く対応できずに、家庭に亀裂が入るということもあり得るかも知れません。
要点を先に書きますと以下の通りです。
男性はストレスを受けると、考え込むことによって気持ちを落ち着かせようとします。⇒考え込むことによってリラックスします。
女性はストレスを受けると、誰かに話すことによって気持ちを落ち着かせようとします。⇒話すことによってリラックスします。
(この場合、男性も女性も成人を想定しています)
つまり男性と女性ではストレスに対する対処が違うということです。もちろんこの話は男性と女性という大まかなくくりによるもので、細部についてはそれぞれの個性や生まれ育った環境によって十人十色の違いがあります。
例を挙げてみましょう。
ご主人が会社から帰宅して、普段より極端に口数が少ない時にどういうことが考えられるでしょうか。お酒を飲み過ぎて頭がボーっとしていることや隠し事(浮気?!)なども考えられますが、単に仕事でストレスが溜まって自分なりに気持ちを落ち着かせようとしているかも知れません。この特性を理解していないと、奥さんはご主人のことを勘ぐったり、「無口で冷たい」と捕えるか、あるいは自分への愛情が冷めたのではないかと不安になって余計にご主人に話しかけるかも知れません。しかし、ご主人が(浮気などでなく)本当に仕事のストレスで悩んでいるときは、これは逆効果で、考える時間が欲しいご主人を余計イライラさせる結果となって喧嘩になるかも知れません…。
逆に、子育てなどでストレスが溜まった奥さんは、そのストレスを、帰宅したご主人と会話することによって解消しようとします(近所に親しい友人がいて、いつもお喋り出来ている場合は別です)。このことをご主人が理解していないと、上手に奥さんのストレス解消の相手役になってあげることが出来ません。仕事のこをと忘れて、奥さんの悩みやお子さんの話などを聞くことは、幸せな家庭作りのためにも大切なことを(世のご主人方は)肝に銘じておく必要があります。
より役に立つ具体的な対処法は色々な書籍などを参考にして欲しいのですが、思いつくことを簡単に述べておきます。
男性が仕事や仕事上の対人関係などのストレスを抱えて帰宅してきたときは、そっとしておいて上げるのが一番良いかもしれません。自分なりに考えて結論を出すことが出れば普段のご主人に戻ると思います。しかし、もしいつまでも考え込んでいるようでしたら、これは大問題で、過労やうつ病の前兆かもしれません、お医者さんなどの専門家の門をたたく必要があります。
一方、奥さんが家事や子育ての悩みを抱え込んでいるときは、ご主人は奥さんの悩みを積極的に聞いてあげることが必要です。その際の「コツ」は、問題解決の方法を提示したりするのではなく、「考え方に同意(同情)してあげることです」。男性はとかく問題解決の方向に走りがちですが、ほとんどの場合、女性は問題解決法を知る以上に、自分の気持ちを知って欲しいと考えていることが多いようです。この点はとても大切なポイントです。
余談となりますが、女性の脳は、右脳と左脳を結ぶパイプ(脳梁 のうりょう と言います)が男性より太く、右脳と左脳の間で短時間に大量の情報を交換することができます。女性が男性より勘が鋭いのはこのためとする説があります。一方で短時間に情報が一気に流れるため情報が混乱しやすい(ヒステリックになりやすい)とも言われます。ご主人が浮気などの隠し事をして悩んでいるのか、それとも仕事のストレスで無口になっているのかは、奥さんが右脳と左脳の情報交換能力の高さを駆使して勘を働かせるとすぐにわかると思います。
一方、男性は脳梁が女性より細く、その分柔軟な考え方が苦手な人も多いとも言えます。歳を取るに従って頭が固くなると言いますが、女性の話をじっくりと聴く包容力(柔軟性)を低下させないためにも「脳トレ」が必要かもしれませんね。
今回の話題は子育てとは程遠いお話でしたが、現代社会にはお母さんお父さんを取り巻く様々なストレス要因が溢れています。上手く付き合うことによって家庭を守り、子育てのストレスも乗り切っていただきたいと思います。