朝陽(あさひ)

2007年10月10日薬煎院薬局から

 保育所の先生が規則正しい生活の大切さを書き込まれておられましたので、そのことについて気づいたことを書きたいと思いました。冒頭からクイズですが、一日の規則正しいリズムを作る一番大切な要因は何か、ブログの読者の皆さんはご存知でしょうか。最近はテレビで教養番組が増えたのでご存知の方も多いかも知れませんが、答は朝の太陽の『光』です(正確には、大光量の非常に眩しい光)。

 ごく最近の研究によって、朝の太陽の光を浴びることにより、人間の体内のスイッチが夜から昼へと切り替わることが科学的に分かってきました。大人でも昼と夜の生活が入れ替わって、体のリズムが壊れた人を治療するために、病院でも蛍光灯だらけの眩しい部屋で30?60分間ほど、ただひたすら光を見つめる(浴びる)治療が行われます。これを「光療法」と言います。

(こんな言い方をすると怒られるかも知れませんが、お許しください)、朝、公園などで朝陽を浴びると気持ちいいと張り切っている元気なお年寄りの方がおられますが、これはともすると自慢話のように聞こえますが、実はそれだけとは言い切れません。

 秋から冬にかけて、どうしても気分が塞いで憂鬱になる方がおられます。これをウィンターブルー、またはSAD(季節変動制の感情障害)などということがあります。実はこのSADの治療にも先程の光療法が行われます。つまり、SADは朝陽を浴びことによって防ぐことができます(効果は劇的だとも言われます)。

 以上のことは、大人であっても子供であっても太陽の光を沢山浴びることで、体のリズムが作られ、精神的にも落ち着いてくると言えます。人間が動物であることを考えると、動物としては当り前の反応なのかも知れませんね…。

 早起きは3文の得と言いますが、大切なのは早起きではなく、朝陽を浴びることです。結論として、小さなお子さんの健康と健全な情緒の発展のためには、「朝陽」が重要なキーワードであると言えます。マンションにお住まいの方で、朝起きても部屋が薄暗く、お子さんも眠たそうにしている環境では、(ひょっとしたら)将来的に肉体的にも精神的な悪い影響がでるかも知れません。

 (大変余計なアドバイスかも知れませんが…)もし、朝がどうしても苦手なお母さんがおられましたら、朝だけでも短時間のアルバイトをしてみてはいかがでしょうか。自分にノルマを課すことによって、朝陽を浴びる機会を作れば、自分の人生とお子さんの生活が劇的に変わるかも知れません。福岡では東京より日の出が1時間も遅いので、朝陽が昇る頃に起床する必要があるバイトは結構あるのではないでしょうか。

2007年10月10日薬煎院薬局から

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