氷で顎(あご)を鍛える

薬局から No Comments

icon_redface.gif猛暑で暑い日が続いていますね、今年は熱中症で病院に運ばれる人も例年より多いようですね。
久しぶりにキッズプレイスの薬局から、(ひょっとしたら)子育てに役立つかも知れない?話題をひとつ書かせて頂きます。icon_biggrin.gif

後で知ったことですが、以前私が書かせて頂いた記事がOKwaveなどで参照されているようです。気楽に書いたつもりでもネットの世界では知らぬ間に参照されることも起こりえますので、ちゃんとした論文などを調べて出典を書いた方がいいかな…、とも思います。
しかし今は単純に忙しいので、そのようなことはやめます(笑)。
ちなみに、しっかりとした医学文献などを調べたり、また読んでみたい方は、(私も昔よく使っていましたが、)ほとんど英語になりますが米国立医学図書館のPubMedなどが無料で使えてお勧めです。世界中の医学、薬学、生物学etc.の文献を参照でき、最新の遺伝子配列情報なども検索できます。

冒頭話が脇道にそれてしまいましたが、閑話休題です。私の娘は3歳になりますが、冷蔵庫で作った「角氷」を食べることが大好きです。ただ水を凍らせただけで何の味もしない氷ですが、歯ごたえが堪らないのか大好物で(2~3才くらい小さい子は好きな子が多いようです)、アンパンマンのコップで沢山角氷の入った麦茶を飲むことが風呂あがりの娘の毎日の日課となっています。
あまり与え過ぎてはいけないと考えて、与えないでいると20~30分泣き叫んで抗議するので、こちらも根負けして氷をあげてしまいます。
最近では親の目を盗んで、自分で冷蔵庫の製氷室をあけて勝手に盗み食いする始末ですicon_lol.gif

親としてはこのまま氷を与え続けていて大丈夫か…、氷を食べ過ぎると体が冷えて胃腸が弱くなるのではないかと心配になります。
しかし娘が氷を食べている音を聞くと、カリ、コリと、とても心地よい音がします(笑)。

話が変わりますが、娘の顎のあたりを手で触ると、顎が鋭角です(尖っています)。これは成長すると顎が小さくなる可能性があります。(顎が大きくなる子供は顎の先端が尖っておらず、丸みを帯びているので区別が付きます。この辺の区別の付かない方は歯医者さんで調べてもらうと良いと思います)。
つまり娘は、親(私icon_exclaim.gif)に似て顎が小さく、このまま成長すると歯並びも悪くなる可能性があります。特に最近の子どもたちは軟らかい食べ物を好んで食べる傾向があるため、永久歯がはえるに従って「乱食歯」になる可能性が大です。

当然ながら歯並びの悪さは容姿的にも良いものではありませんが、事はそれだけでは済みません。
歯並びが悪いと歯の隙間に食べ物のかすが貯まりやすいため虫歯の進行を速め、歯槽膿漏の原因となりかねません。また歯のかみ合わせが悪くなることによって、将来、「背骨」が曲がるリスクが高まりますicon_eek.gif。奥歯をシッカリと噛みしめることが出来ないと瞬間的に力を出すことができず運動能力にも影響がでてきます(一流のスポーツマンには歯並びが悪い人は少ないと言われています)。
背骨が曲がるとバランスのとれた筋肉の発達が望めず、余計な筋肉の緊張を招くことになり将来「頭痛持ち」の原因にもなりかねませんicon_redface.gif
しかし「顎が小さいこと」によって一番怖いことは、将来的に睡眠時無呼吸症になるリスクが高まることです。

顎が小さいと寝ているときに舌(ベロ)が喉の奥に落ち込みやすくなり、空気の通り道が狭くなって呼吸困難(睡眠時無呼吸症)を招きやすくなります。この睡眠時無呼吸症については、医学的な研究が進んでおり、この「病気」になりやすいのは肥満体質に加えて、「顎が小さい人」と言われています。

睡眠時無呼吸症になるといくらたっぷり寝ても疲れが取れません、またいつも日中眠たいため集中力も低下してきます。重症になると昼間でも突然、瞬間的に寝てしまうことがありますicon_eek.gif。私の知人も車を運転していて突然ガクンと寝てしまい、事故にあって2度死にかけた人がいます。

 小さな子どもの場合は睡眠時無呼吸症を考える必要はありませんが、お子さんが成長するに従って発症のリスクが高まります(若年性肥満が加わるとリスクがさらに高まると考えられます)。高校や大学ぐらいであれば、当然学校の成績にも影響が出ることが考えられます。また将来的に上の例のように命に危険を及ぼすことも起り得ます。

顎の小さいお子さんにとっては、特に永久歯が生える前に顎をシッカリと鍛えて少しでも顎を大きくしておくことは大切なことと言えます。

このような背景もあり、私は自分の考え方をあっさり変えてしまいましたicon_wink.gif
ひょっとしたら「顎」を鍛えるために有効ではないかと思って皆さんにもお勧めしたいのですが、顎の小さい3歳くらいまでのお子さんには「角氷」を与えてみてはいかがでしょうかicon_surprised.gif

1.5cm角の氷ぐらいの大きさになると、大人でも奥歯で「ガッリ」と砕くしかありません。これは顎を鍛えるにはちょうど良い刺激になります。硬いお煎餅や「皮付きのスルメ」を与えるという手もありますが、氷であれば歯垢が溜まることもなく、夏場ではちょうど良い水分補給にもなります。それに角氷はお煎餅やスルメと違ってほとんどコストがかからず、お腹が膨れることがありませんから比較的いつでも与えられます。

問題点として、お子さんが角氷を嫌いだと役に立ちませんが、スポーツドリンクなどを凍らせて角氷を作ると、味が付いてカリコリ食べれるかもしれませんね。

この夏は9月を過ぎても残暑が厳しいらしいので、娘には角氷を沢山あげようと思います(笑)。

 ここで若干専門的な私論を書かせていただきますicon_mrgreen.gif。顎が小さい人で睡眠時無呼吸症の症状がない人も沢山いると思いますが、そのような人は寝ている時に上側ではなく右向きや左向きなど、どちらかを横を向いて寝ていることが多い人ではないかと思われます。枕や布団などの寝具があっているかどうかにもよりますが、このような寝方が習慣になると背骨が曲がりやすくなるのではないかと私は考えています。つまり顎が小さくて背骨が曲がる原因の一つとして、睡眠中に安定して呼吸を確保しようとして無意識に横向きで(決まった方向を向いて)眠る癖がつき、このために背骨が徐々に変形していくように思えます。   この仮が正しいかどうかはきょうみのあるところであり、今後の専門家の研究結果を待ちたいと思いますicon_wink.gif

ストレス対応の男女差をご存知ですか

薬局から No Comments

このブログでは、キッズプレイスの保育園のお子さんの様子を紹介しておりますが、今日は薬局から子育て世代のお母さんとお父さんに役立つ(?かも知れない)話題提供です。icon_rolleyes.gif

キッズプレイスの薬局では色々な相談があります。中でも最近多いのはストレスについての相談です。うつ病気味で悩まれている方、夜なかなか眠れなくて病院で処方された睡眠導入剤を服用されている方や、ストレスでお腹が下痢気味の方、不妊症に悩まれている方、お子さんの疳の虫…など実に様々です。漢方薬の中にも不眠やイライラなどを鎮める処方があり、体質があっていると良く効きます(これらの処方は脳の中枢神経に直接働くことはなく依存性などはおこりません)。しかしお薬に頼るよりも前に、上手にストレスに対処する事に越したことはありません。そこで本日のタイトルの話題提供を思いつきました。icon_wink.gif

読者の皆さんは男性と女性ではストレスを受けた後の行動に大きな差があるのはご存知でしょうか。意外に知らない方が多いのですが、知らないと子育てを含めたいろいろなストレスに上手く対応できずに、家庭に亀裂が入るということもあり得るかも知れません。

要点を先に書きますと以下の通りです。
 男性はストレスを受けると、考え込むことによって気持ちを落ち着かせようとします。⇒考え込むことによってリラックスします。
 女性はストレスを受けると、誰かに話すことによって気持ちを落ち着かせようとします。⇒話すことによってリラックスします。
(この場合、男性も女性も成人を想定しています)

つまり男性と女性ではストレスに対する対処が違うということです。もちろんこの話は男性と女性という大まかなくくりによるもので、細部についてはそれぞれの個性や生まれ育った環境によって十人十色の違いがあります。

例を挙げてみましょう。icon_eek.gif
ご主人が会社から帰宅して、普段より極端に口数が少ない時にどういうことが考えられるでしょうか。お酒を飲み過ぎて頭がボーっとしていることや隠し事(浮気?!)なども考えられますが、単に仕事でストレスが溜まって自分なりに気持ちを落ち着かせようとしているかも知れません。この特性を理解していないと、奥さんはご主人のことを勘ぐったり、「無口で冷たい」と捕えるか、あるいは自分への愛情が冷めたのではないかと不安になって余計にご主人に話しかけるかも知れません。しかし、ご主人が(浮気などでなく)本当に仕事のストレスで悩んでいるときは、これは逆効果で、考える時間が欲しいご主人を余計イライラさせる結果となって喧嘩になるかも知れません…。

逆に、子育てなどでストレスが溜まった奥さんは、そのストレスを、帰宅したご主人と会話することによって解消しようとします(近所に親しい友人がいて、いつもお喋り出来ている場合は別です)。このことをご主人が理解していないと、上手に奥さんのストレス解消の相手役になってあげることが出来ません。仕事のこをと忘れて、奥さんの悩みやお子さんの話などを聞くことは、幸せな家庭作りのためにも大切なことを(世のご主人方は)肝に銘じておく必要があります。

より役に立つ具体的な対処法は色々な書籍などを参考にして欲しいのですが、思いつくことを簡単に述べておきます。
icon_neutral.gif
男性が仕事や仕事上の対人関係などのストレスを抱えて帰宅してきたときは、そっとしておいて上げるのが一番良いかもしれません。自分なりに考えて結論を出すことが出れば普段のご主人に戻ると思います。しかし、もしいつまでも考え込んでいるようでしたら、これは大問題で、過労やうつ病の前兆かもしれません、お医者さんなどの専門家の門をたたく必要があります。

一方、奥さんが家事や子育ての悩みを抱え込んでいるときは、ご主人は奥さんの悩みを積極的に聞いてあげることが必要です。その際の「コツ」は、問題解決の方法を提示したりするのではなく、「考え方に同意(同情)してあげることです」。男性はとかく問題解決の方向に走りがちですが、ほとんどの場合、女性は問題解決法を知る以上に、自分の気持ちを知って欲しいと考えていることが多いようです。この点はとても大切なポイントです。

余談となりますが、女性の脳は、右脳と左脳を結ぶパイプ(脳梁 のうりょう と言います)が男性より太く、右脳と左脳の間で短時間に大量の情報を交換することができます。女性が男性より勘が鋭いのはこのためとする説があります。一方で短時間に情報が一気に流れるため情報が混乱しやすい(ヒステリックになりやすい)とも言われます。ご主人が浮気などの隠し事をして悩んでいるのか、それとも仕事のストレスで無口になっているのかは、奥さんが右脳と左脳の情報交換能力の高さを駆使して勘を働かせるとすぐにわかると思います。
一方、男性は脳梁が女性より細く、その分柔軟な考え方が苦手な人も多いとも言えます。歳を取るに従って頭が固くなると言いますが、女性の話をじっくりと聴く包容力(柔軟性)を低下させないためにも「脳トレ」が必要かもしれませんね。icon_confused.gif

今回の話題は子育てとは程遠いお話でしたが、現代社会にはお母さんお父さんを取り巻く様々なストレス要因が溢れています。上手く付き合うことによって家庭を守り、子育てのストレスも乗り切っていただきたいと思います。

口移しについて…

薬局から No Comments

以前、このブログにて、虫歯がインフルエンザや伝染病などと同じ「感染症」であることを紹介しましたicon_rolleyes.gif。子供の虫歯は成長するに従って自然と虫歯になっていくのではなく、赤ちゃんの時に大人や兄弟から虫歯菌をもらう(感染する)ことによりおこります(虫歯が発症します)icon_eek.gif

虫歯は、赤ちゃんの口の中の細菌の分布状態(専門的には口腔フローラと言います)が決まる2歳ころまでの間に、外部から虫歯菌が感染することによって起こります。
赤ちゃんがお母さんのおなかの中にいる時、赤ちゃんの口の中は無菌状態ですが、お母さんの産道を通りオッパイを吸ったときから、赤ちゃんの口の中に細菌(乳酸菌など)が住みつくことになります。

ヒトの皮膚や口の中、また腸などには、様々な種類の細菌が住みついていて、これらを常在細菌と言います。つまりヒトは様々な種類の細菌と共存しており、常に無菌状態でいるわけではありませんicon_neutral.gif

口の中の細菌の種類や数の割合は生まれてから1歳半から2歳ぐらいの間でほぼ決まってしまい、それ以降は歳をとっても急に変わることはありません。生まれてから口の中の細菌の種類や数の分布が決定する2歳ぐらいまでに虫歯菌が口の中に大量に入ってこなければ、それ以降に例え虫歯菌が入ってきても、住みつくことは出来ず感染が成立しません。最初から住みついていない限り、突然入ってきたよそ者(虫歯菌)はそう簡単に住みつくことができないという訳です。

このため、赤ちゃんが生まれたら、2歳ころまで食事などの口移しはしない方が良いかもしれません(少なくとも注意が必要かもしれませんね)。2歳を過ぎれは例え虫歯の人から口移しをされても虫歯菌が感染して虫歯になることはありませんので、出来ればそれまで我慢された方が良いと思われます。

ここまでは以前のブログ記事のおさらいですが、もう1つ5歳くらいまでに気をつけないといけないことがあります。それはピロリ菌の感染ですicon_eek.gif

先日NHKの番組(ためしてガッテン)でも放送されていたので、ご覧になった方も多いと思いますが、ピロリ菌は将来、胃潰瘍や胃がんの原因となる細菌で注意が必要です。ピロリ菌は酸性の強い胃の中に住むことが出来る特殊な細菌で、正式名称は「ヘリコバクター・ピロリ」といいます。

ピロリ菌は誰の胃の中にもいるわけではなく、特に50才以上の方に多いことが統計学上分っており(約7割)、ヒトからヒト、動物からヒトへと感染します。以前は病院で胃カメラを撮影した時に、胃カメラ本体の消毒が不十分であったため、病院を中心として感染が広がったことがありますが、今では消毒が徹底されているためこのようなことはありません。

最近の若い人では感染率が少ないのですが、それでも完全にゼロではありません。詳しい感染経路はいまだ不明ですが、考えられる感染経路として、生まれてから5歳ぐらいまでの間に保菌者(ピロリ菌を持つ人)から食事の口移しなどで感染する可能性が指摘されています。その他には、動物との接触(唾液や糞を介した感染)などが考えられます。私は犬好きですが、やたら口を舐めたがるワンちゃんには少々注意が必要かも知れませんicon_lol.gif

虫歯菌を除菌することは非常に厄介ですが、ピロリ菌は抗生物質でほぼ除菌することか出来ます。その意味では虫歯菌よりピロリ菌の方がまだマシなのかも知れませんが、感染を知らずにいると将来胃潰瘍や胃がんとなる可能性もあり、留意する必要がありそうです。

赤ちゃんへの離乳食の口移しや小さいお子さんへの口移しは、親から子への愛情表現でもあるため、一概に否定することはできませんが、子供たちの側から考えると口移しによる愛情表現より他のスキンシップの方が嬉しいかもしれませんね。

以上、今後の子育ての参考にして頂ければ幸いですicon_biggrin.gif

参考情報:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』ヘリコバクター・ピロリ

9月のつらい出来事

薬局から No Comments

icon_surprised.gificon_razz.gif キッズプレイスではこれから年末にかけていろいろな行事があります。秋の親子遠足、12月の発表会、クリスマス会などです。現在、長丘園と平尾園の先生方は遠足をどこにしようか、どんな遠足にしようかと計画中です。去年は長丘園の親子遠足があいにくの雨で室内でのレクレーションとなりましたが、今年は晴れて外で沢山遊べるとよいと思います。

 そんな忙しい先生方に代って、キッズプレイスのブログの役に立つべく、私ごとで大変申し訳ないのですが、9月のつらい出来事を書かせて頂きます。ちなみに、「私」とはキッズプレイスの薬局の薬剤師(通称カンポウ先生、男性)です。icon_neutral.gif

 実は9月は、これまで私を支えてきてくれた同じ薬剤師の母に先立たれ、私にとってはとても悲しい月となりました。今年の2月に黄疸が出て自宅の近くの病院で診察を受けたところ膵臓ガンと分かり、福岡市の中心部にある済○会病院に緊急入院したのですが、今月7日に他界しました。入院してわずか7か月ほどでした。享年73才でしたので、女性の平均寿命より10年以上短く、そのことが悔やまれます。icon_cry.gif

 膵臓ガンは特に分かりづらいガンで、発見された時には手遅れということが多いのですが、母の場合は幸い他の臓器への転移が見られないStage Iでしたので、腫瘍さえ摘出すれば5年以上生きられると思われていました。膵ガンの5年後の平均生存率は10%程度ですので、運が良いと家族は喜んでいたのですが…。

 私は製薬会社で7年ほど消化器系の薬剤(新薬)の探索研究を行っていましたので、国内外の学会にも良く出かけていました。それゆえ病院のドクターがどのような処置を行い、何の目的でどのような薬物を投与したか、およその意図が分かります。

 話が専門的になりますので途中は端折りますが、読者のみなさんには『重い病気であるほど、患者である私たちは、“名医”を探す努力を惜しんではいけない』ということを強くお伝えしたいと思います(名医とは優れた技術を持ち、患者の気持ちを分かる医師と思います)。
 そのような努力を怠っていなかったら、ガン以外の原因で母を失うことはなかったと思うからです。今ではいくら悔やんでも母は戻っては来ませんが、後悔しきりです。 

暗い話題となりましたが、嬉しいことも一つありました。icon_smile.gif
 私の薬局にはお子さんが欲しくてもなかなか出来なくて相談されに来るお客さんが少なくありません。
 これまでも多くの方にお薬(漢方薬)を処方して不妊治療を行って参りましたが、今月になって、あるお客様から妊娠されたとの嬉しいお便りを頂くことができました。その方は福岡の方ではないのですが、このブログを紹介したため、ひょっとしたらこの記事をお読みになるかも知れませんが、憔悴していた私にとって妊娠されたとのお便りを頂くことができて、とても勇気づけられました、ありがとうございました。

 消える命があれば、新しく生まれる命もあることは自然の節理ですが、今はその方の赤ちゃん(新しい命)が無事に誕生されることを願わずにはおられません(次の嬉しい便りを心よりお待ちしております)。

 最後に、忙しい中、母のお通夜に会葬して頂きました関係者のみなさん、スタッフのKさん、また保育園のAちゃんのお母さんとお父さんに、この場を借りまして再度、厚くお礼を申し上げます。ありがとうございました。

子供達の水分補給と、お母さんお父さんの水毒(2)

薬局から No Comments

:shock:
前回は小さなお子さんの水分補給について記事を書かせて頂きましたが、今日のお話はその続編として、子育て世代のお母さん、お父さんの水分の過剰摂取の落とし穴について書かせて頂きます。

小さいお子さんや高齢者の方には、熱中症の予防のため、特に夏場は小まめな水分補給が必須となります(前回のブログ記事を参照されて下さい)が、しかしだからと言って必要以上の水分の摂りすぎは体にとって決してよくありません。
水分の過剰摂取は秋以降にかけて体の変調となって現れてきますが、これらの変調は小さいお子さんより、むしろ子育て世代のお母さん、お父さんで顕著に現れます。
そこで今日は、子育て世代のお母さん、お父さんの水分の過剰摂取に焦点を当てて書かせて頂きます。健康のために意識して1日2~3Lの水を飲まれている方などは、特にお読み頂きたいと思います。

キッズプレイスの薬局では、最近、体がだるい(倦怠感)、気力がでない、汗を多くかく(多汗症)、食欲不振、アトピー性皮膚炎、花粉症、めまい、耳鳴り、冷え性、むくみ、軟便などを訴えてこられるお客さんが多いです。

特に上記のような症状がある方に、「水分を多く取られていますか?」「汗かきですか」などと質問することがあるのですが、そうするとおよそ7~8割の人が「どうしてですか?」「そう言えば水(お茶、ビール)をよく飲みます(飲むのが好きです)」という答えが帰ってきます。中には「友達から1日1.5~3Lの水を飲むようにすすめられて、頑張って飲んでいます」、「最近体が疲れて気力が湧きません」などの答えが返ってきます。
尋ねられたお客さんにしてみれば、症状を聞いただけでどうして分るのだろうと不思議がられますが、上記の症状が2つ以上あてはまる場合、この質問が良く当たります。この問いを投げかけることにより、患者さんが東洋医学(漢方)で言うところの「水毒症状」であるかどうか、およその察しがつきます。

:???:
水毒症状とは、漢方でよく耳にする言葉ですが、簡単に言えば体の中の「水」の要素のバランスや循環が崩れている状態を言います。この状態に陥ると、一見すると互いに関連性のないようないろいろな変調が体に現れて来ます。

漢方で体の状態を診る時の着目点の1つとして「気・血・水」(き・けつ・すい)があります。初めて聞かれる方にはなじみのない言葉ですが、特に難しいことではありません。紙面の関係もあり、ここでは簡単にご紹介します。
「気」というのは、生命を維持していくために体が持つエネルギーのことです。元気の「気」と同じで、これが低下すると病にかかりやすくなります。また体の中で気の分布が偏ると、例えば上半身への偏りであれば「のぼせ」などとして現れます。
「血」とはそのまま体の中を流れる血液のことを指します。むかしから婦人病のことを「血の道症」といいますが、婦人病では子宮を中心とした血液の循環が滞ると(この状態を「お血」と言います。)生理痛や不妊などの症状となって現れます。
「水」とは、リンパ液、消化液、汗、唾液、尿など、体の中の血液以外の体液を言います(水は津液とも言われます)。
これら3つは密接に関連し合っているのですが、中でも「水」の過不足が起きたり循環が滞ったりすることを「水毒」といいます。
水毒がひどくなると、リンパ液、消化液、汗、唾液、尿などの「水」の要素をキーワードとした様々な症状が現れるようになります。

例えば、リンパ液は免疫に深くかかわる「水」の要素ですが、これに変調が及ぶと花粉症、アトピー性皮膚炎、喘息、リウマチなどの免疫系の疾患となって現れてきます。またリンパ液は平衡感覚をつかさどる耳の奥の三半規管の中にもある為、めまいや耳鳴りといった症状に波及します。
同じ「水」でも消化液に変調が及ぶと胃潰瘍、胃下垂、過敏性腸炎などが起こり、食欲が落ちたり軟便が続いたり便秘と下痢を繰り返すなどの症状をともなうことがあります。また汗や尿の変調は多汗、冷え性やむくみとなって現れます。

:roll:
最近の水毒症状の方の共通点として「水分摂取量が多い」ことが挙げられます。喉が乾きやすく(これを口渇[こうかつ]と言います)水分を摂ることが「癖」(生活習慣)になっている方や、「水分をたくさん取ると健康になれる」と信じてしまっておられる方が多いようです。
確かに痛風などの病気で尿酸値が高く、体の中の尿酸の排泄を促進するためにお医者さんから水を良く飲むように言われている方もおられると思いますが、そうでなければ注意しないと水毒症状のフルコースを歩む危険性があります(経験的に水毒症状はいま現れていなくても、いずれ順を追って現れることが多いようです)。最も怖いのは、体力と気力が減退して「うつ病」などの精神症状もしくはその一歩手前まで行くことです。

ここで大切なことは、水分を摂取することが悪いと言うことではありません。夏場は特に水分をこまめに取ることが必要ですが、それに乗じて、または間違った情報を信じて水分を「摂り過ぎること」によって思わぬ症状(水毒症状)に陥ることの警鐘を鳴らしたいのです(その理由として、上記のような相談が最近特に多いためです…)。
特に1日に2Lぐらいミネラルウォーターをペットボトル単位で飲まれている方や、喉が渇いて、ジュースやお茶、お酒などを一度に沢山飲まれる傾向のある方などご注意頂きたいと思います。

:oops:
水毒については、本当であればもっと丁寧に書かなければならないと思うのですが、歯止めが必要と思っています。つまり、このブログに書くことが場違いという自責の念に加え、量的にとても書ききれません。もし上記のような症状で思い当たる節がある方がおられましたら、お近くの漢方薬局(もしくは漢方外来のある病院)に行ってみてください。精通された先生なら1~2時間ぐらいかけて解説して頂けると思います。そこまでしなくてもさらに詳しい情報を知りたい方は、インターネットを検索するか、本屋さんで漢方についてやさしく書かれた解説書などを読まれることをお勧めします。

:wink:
最後に余談ですが、漢方では水毒症状の患者さんに対して「利水剤」「駆水剤」というような生薬(もしくは処方)を用いてこれを治療します。このような知識を持って漢方薬局(もしくは病院)に行かれると、(あくまでも推測ですが)診る方の先生も「この患者さんはただ者ではない…」とより真剣に見てもらえるかもしれません。

夏真っ盛りで水分摂取が多くなりますが、摂り過ぎを注意して頂いて、秋以降の体調維持の参考にして頂ければ幸いです。

読者からのご質問にお答えします

薬局から No Comments

:shock:
キッズプレイスには保育園の他に薬局があります。保育園の行事の隙間を埋めるように、時折、子育てに役立つと思われるトピックスを薬局のスタッフが紹介しています。
しかし、その内容はスタッフの独断と偏見に基づいたものですので、すべての方に役立っているかどうかは分りません…。さらに、ブログの記事は多角的に分析するなど周到に準備して書いているのではなく、どちらかと言えば少々軽い気持ちで書かせて頂いていますので、内容について100%保障することができません。このことを頭の隅に入れて頂いて、以前ブログに書いた記事を読まれた読者の方からから頂いた質問にお答えいたします。

:neutral:
質問は、このブログでも2回ほど取り上げています「インフルエンザに麻黄湯」についてで、「風邪のひき始めに良いと言われている葛根湯と麻黄湯ではどちらがインフルエンザに良いですか?」というものです。数日ほど前に直接メールで質問を頂きました。この質問はとても良い質問でしたので、質問者に了解を得てブログでお答えするようにしました。

:???:
早速、回答を書かせて頂きたいところですが、前置きを2つだけ書かせて頂きます。

1.ブログでキッズプレイスでは、いたずら防止の目的で、ブログへの質問を直接行えないようにしております。このため、直接電子メールで質問を頂きました。質問を頂くということは、読んで頂いている読者の方がおられるということで、書き手としてはとても嬉しいことです。T様ありがとうございました。

2.漢方についての質問は、本来、子育てと関係ないように思われがちですが、漢方薬は重篤な副作用が少なく、お子さんの病気などにも良いと信じて書かせて頂いています。しかしながら病気に関して、少なくとも私はお子さんの病気を直接見ることができませんので、記事を鵜呑みにすることなく主治医の先生の指導に従ってください。

:smile:
お待たせしました、麻黄湯と葛根湯についてお話します。
この2つの処方には、生薬の「麻黄(マオウ)」が含まれていて、インフルエンザのひき始めに服用すると、新薬の抗インフルエンザ薬と同じぐらい効果があることが学会で報告されています。

ではどちらが良いのでしょうか。
麻黄湯と葛根湯は、良く似た処方ですが症状や体質によって使い道が若干違います。
これらの処方は、今から2000年ぐらい前に書かれた漢方の古典「傷寒論(しょうかんろん)」という書籍に書かれています。解説は割愛しますが、詳細を知りたい方は傷寒論について書かれた解説書を読まれることをお勧めします(傷寒論自体は漢文で書かれています)。傷寒論には私の偏見が入らない漢方の奥義が書かれています(ここでは「証」などの考え方を使わずに解説します)。

:shock:
“一般的に、”漢方薬は、含まれる生薬の数が少ないほど作用の切れが強くなります(強く作用します)。普通に考えると生薬の数が多いほど、いろいろな成分が作用して病気に効きそうな気がしますが、実際は逆と言えます。漢方薬は生薬の数(これを薬味と言います)が少ないほど、含まれている生薬の効果がストレートに出やすくなり、薬味が多いほど互いの効果が緩和されてマイルドになります。

麻黄湯は、麻黄(マオウ、4)、桂皮(ケイヒ、4)、杏仁(キョウニン、3)、甘草(カンゾウ、1)の4つですが、
葛根湯は葛根(カッコン、8)、麻黄(マオウ、4)、生姜(ショウキョウ、1)、大棗(タイソウ、4)、桂皮(ケイヒ、3)、芍薬(シャクヤク、3)、甘草(カンゾウ、2)の7つです。括弧の数字は生薬量を示しています。

このことから麻黄湯は葛根湯より作用が強く現れやすいことがお分かりだと思います。

麻黄湯ですが、体力があって胃腸の強い人に適しています。このためお年寄りや、体力の消耗が激しい場合などには慎重を要します(後述の汗をたくさん書いている状態も体力の消耗が激しい状態に相当します)。
さらに麻黄には心臓の働きを高める成分が含まれているため、心臓疾患や高血圧の治療を受けている方が服用される場合は医師または薬剤師に相談すべきです。一方、葛根湯は麻黄湯より体力がなく、どちらかといえば胃腸の弱い方に向いています。

:oops:
葛根湯は胸から上の炎症を抑える効果に優れ、肩こりや、風邪(インフルエンザ)による筋肉や関節の痛みがある場合、喉や鼻の痛みなどがある場合に効果的です。また下痢などの症状があるときも葛根湯が適しています。
葛根湯には生姜(ショウキョウ)という生姜(しょうが)を乾燥させたものが入っていますので、これが大棗(タイソウ)などの生薬と奏功して体を温めてくれるので、悪寒がするような時にも効果的です。

葛根湯も麻黄湯も汗を出すようにして病気を治しますが、特に麻黄湯はこの作用(発汗作用)が強く出ますので、既に汗がたくさん出ている人に飲ませると体力を消耗することになり良くありません。

:shock:
葛根湯と麻黄湯に含まれる「麻黄」には、A型インフルエンザウイルスに対する増殖抑制効果が実験的に認められており(学術文献;Mantani, et al: Antivir Res: 44(3); 193-200, 1999)、この力をインフルエンザに生かすためには、薬味の少ない麻黄湯の方が向いていると考えるのは道理だと言えます。しかし、胃腸が弱かったり、下痢気味であったり、体力がない場合や筋肉のこわばりなどの症状がある場合は葛根湯がおススメです。

一方、さらに体力のない高齢者などには、葛根湯より「麻黄附子細辛湯(まおうぶしさいしんとう)」が良い場合があります。
麻黄附子細辛湯は、麻黄(マオウ、4)、細辛(サイシン、3)、附子(ブシ、1)が含まれています。

:oops:
これは麻黄湯よりさらに薬味が少ないので、麻黄の作用が現れやすくなっています。
麻黄湯より薬味が少ないので、さらに体力がある方むけの処方のように思われがちですが、「附子」が含まれているため、体力のない方むけの処方となっています。この附子とは、猛毒を持つトリカブトの根を乾燥させたものですが、煎じることによってその毒性は1/1000~1/2000まで減じられ、虚弱な方にエネルギー(気)を与え体を温める作用をもたらします。漢方薬の中で、この附子が入っているものは、虚弱体質の方向けの処方が多いです。
麻黄附子細辛湯の麻黄と附子に含まれる成分は、血圧を上昇させるように働くため、高血圧気味の方には使えません。

長くなりましたが私が知っていることで、頭の中に思いつくところを書きました。参考になれば幸いです。
次回は、以前予告しておりました、水分摂取と水毒の2回目について近日中に書かせて頂きます。

子供達の水分補給と、お母さんお父さんの水毒(1)

薬局から No Comments

:???:
キッズプレイスでは7月から子どもたちの楽しみの「プール」が始まりますが、福岡では梅雨入りが宣言されたにもかかわらず 、どういう訳か雨が降りませんね。これには少し困ったものです…。

小笹長丘園でも平尾大楠園でも園児さんは園内でみんな元気に走り回っています。遊びまわっている子供たちはいつも元気いっぱいで、園内では汗だくになっています。赤ちゃんも、この季節になるとたくさん汗をかいています。

:roll:
今回は2回に分けて、(1)子供たちに必要な水分補給と、(2)お母さんやお父さんの水分の摂りすぎによって起こる「水毒」について書かせて頂きたいと思います。

<子供たちに必要な水分補給について>
小さなお子さんを持つお母さんなら、子育てのための雑誌や育児書で小さなお子さんが脱水症状になりやすいことを一度は目にされたことがあるのではないでしょうか…。

2歳未満の子供をお持ちのお母さんは、特に夏場の脱水症状に気をつける必要があります。

大人であれば腎臓によって体外に排出される水分量、つまり「おしっこの量」を調整して、体内の水分量をコントロールできるのですが、子供はこのような腎臓の水分調整機能が未発達なため(大人の約半分程度)、体中の水分が余計におしっことして出てしまい脱水状態が起きやすくなります。

:shock:
大人でも24時間水分を取らないと、死にそうなくらい喉が渇くと思いますが、赤ちゃんではこの大人の24時間が7時間くらいの時間に相当します。つまり赤ちゃんは大人の3~5倍のスピードで体の水分が不足していきます。具体的な量では、大人の1日の水分必要量が、体重1kgにつき30-50mLとなっていますが、生後1ヵ月から1才未満の乳児で120-150mLです。また1才から6才の幼児で100-120mLとなっています。
(上記の水分量は食事から摂る水も含まれます)

もし夜中に一度も起きない親孝行な赤ちゃんがいたら、それは大人でいえば24時間以上水分を取っていないことになります。そう考えると赤ちゃんが喉が渇いて夜泣きをするのも仕方ないと納得できるかも知れませんね…。ちなみに我が家では、娘が赤ちゃんだった頃、寝る前に欲しがるだけミルクを飲ませていました。ほとんどミルクを飲みながら寝てしまっていましたが、夜泣きをすることがほとんどありませんでした。

水分が失われるときに、同時に塩分も失われます(特にナトリウムイオン、記号ではNa+と書きます)。ヒトの血液は100mL当たり0.9gの食塩を溶かした水と同じぐらいの濃さがあります(正確に言うと血液とおなじ浸透圧があります、生理食塩水とも言います)。海水よりは薄いので無理して飲めないことはありませんが、飲料用としては塩分が濃すぎます。
子供たちには乳幼児用イオン飲料などが売られているので、このようなものがお勧めですが、お金をかけなくても家で作った麦茶にほんの少量の塩を(100~200mLに耳かき0.5~1杯ぐらい)入れるとよいかも知れません(ただしこれは夏場の暑い時だけにしておいてください)。

:grin:
夏場は水分補給の他に、できるだけ新鮮な果物を食べるとよいと思います、天然型のビタミン、水分、糖分、塩分に加え、ポリフェノールやクエン酸などの体に良い有機酸などをたくさん摂ることができます。

:oops:
以上のように、小さな子供達には、夏場の水分摂取が特に大切ですが、同様に大人でも小まめに水分補給をすることが、熱中症などの予防の観点からも大切になります。
しかし、大人の場合は、水分をむやみやたらに取り過ぎると思わぬ“副作用”があります。

最近は、マスコミの影響なのか「血液さらさら」であることがブームとなり、1日に1.5Lや2L、はたまた3L?の水分を取ることが良いように言われていますが、やはり「過ぎたるは及ばざるがごとし」の格言通り、徐々に水毒症状が現れてきます。

:shock:
次回は過剰な水分摂取が招く、「水毒症状」についてブログを書かせて頂きます。

新型インフルエンザと麻黄湯

薬局から No Comments

:-(
今年の初めに季節性のインフルエンザについてブログの記事を書きましたが、5月に同じような記事を書くとは思っておりませんでした。この記事を書き始めた時点では、ブタ由来のA型インフルエンザ(新型インフルエンザ)が関西地区で広がりを見せつつあり、テレビではマスクの売切れが続いているというニュースが流れています。

インフルエンザウイルス自体は生化学的にそれほど強いウイルスでないので、うがい薬でうがいをしたり、手を石鹸で洗うことで簡単に死滅します。インフルエンザウイルスの表面は薄い膜(エンベロープと言います)で覆われており、石鹸などで簡単に壊れます。
マスクについては、インフルエンザにかかっている人が咳やくしゃみをした時にウイルスを含んだ飛沫(エアロゾル)が周囲にまき散らされることを防止するためには有効ですが、空中を漂うウイルスを吸いこまないようにするためには効果が薄いかも知れません。ただし喉を乾燥させないようにすることで、ウイルスに対する抵抗性を上げることにはプラスに働くと思われます。
いずれにしても、インフルエンザウイルスを吸いこんだら、瞬間的に感染するわけではないので、マスクをしていても、してなくても、人ごみを歩いた後はうがいや手洗いがとても大切になります。

:shock:
またつい最近、大学病院などの医療機関で、A型インフルエンザに有効性と報告されたとの新聞報道を受け、キッズプレイスの薬局でも、漢方薬の麻黄湯がとてもよく売れています。10個ほどあった麻黄湯の錠剤がなんと1日で無くなりました。ほとんどは関西方面からのお客さんからの注文です。想像するに、関西方面ではかなりインフルエンザの流行が不安をかき立てていると思われます。

:smile:
数回に渡りブログで紹介してきましたが、麻黄湯はタミフルと同じぐらいインフルエンザの症状を緩和し、発熱時の解熱剤の投与量がタミフルより少なくて済むなどのメリットが報告されています。
また、タミフルの小児への投与には慎重さが求められていますが、抗インフルエンザ薬が登場して数年であることに対し、麻黄湯の歴史は約2000年近くありますから、安全性に関する実績の点では麻黄湯の方が遙かに有利と思われます。

小さいお子さんにとって、インフルエンザは、肺炎だけでなく脳炎(インフルエンザ脳症)を引き起こす大変怖い病気です。これはインフルエンザウイルスの感染に伴って脳炎を発症するもので、1-5歳の乳幼児がインフルエンザ脳症に罹ると、致死率は20-40%と言われています。また運よく助かっても脳に麻痺が残るかも知れません。

:oops:
インフルエンザ脳症の発症や、解熱剤を使うことにより起こる2次的な障害を減らすためにも、小さいお子さんにとってインフルエンザによる発熱期間を短縮することはとても重要なことです。発熱期間を短縮し、解熱剤の投与回数も減らせるのであれば、麻黄湯はインフルエンザに期待できるお薬と考えられます(少なくとも私はそう考えています)。

一方、キッズプレイスのある福岡でも、新型インフルエンザの流行が拡大すれば、保健所への相談申込みの殺到や、病院も患者さんで溢れることが予想されます。当然、薬局でも麻黄湯が売切れる可能性がありますから、もしもの時に備えて、前もって一瓶ぐらい準備される方が良いかも知れません。
値段は360錠20日分で3500円弱ぐらいです。参考 なお麻黄湯の錠剤は3~4年保存でき、現在流行しつつある新型インフルエンザで麻黄湯を使う機会がなくても、冬に流行する季節性のインフルエンザにも有効です。また余談ですが、6月からは薬事法が改正されますので、新規の方はインターネットや電話注文でお薬が買えなくなります(5月31日以前にインターネットや電話注文で薬を買われた方は、2年間経過措置の間は引き続き同じお薬を買えるようになります。現在は規制案の段階なので内容が変わる可能性もあります)。

:wink:
麻黄湯の服用については、とても大事なことが2つあります。
1.麻黄湯にしてもタミフル等の抗インフルエンザ薬にしても、インフルエンザのひき始めの段階(ウイルスが増殖する前)に服用しなければ意味が無く、高熱が出てしまった後では効きません。つまり熱が出てから慌てて薬局で買い求めても手遅れです。

2.現在の新型インフルエンザは季節性のインフルエンザと同じく、弱毒タイプのものですが、インフルエンザウイルスと細菌が同時に感染している場合(混合感染と言います)、特に黄色ブドウ球菌等の場合は症状が重篤化し易くなります。
5月は日中の気温の差が激しい日が多く、寝ている時にお子さんが布団を脱いでしまうことが多いのですが、寝冷えによって少し風邪気味であったり、青鼻をたらして咳をしているような時にインフルエンザウイルスに感染すると重篤化する可能性がありますので、このような場合は(保健所の発熱相談センターに先に相談し)病院に直行されて下さい。

5月は晴天が続いて空気が乾燥しているため、インフルエンザウイルス流行りやすい環境が整っていますが、6月を迎えて湿度が高くなれば徐々に治まって来るものと思われます。しかしながら冬になるとまた同じインフルエンザウイルスの脅威に晒されます。A型インフルエンザウイルスは、遺伝子がとても変異しやすく、人から人に感染している間にも強毒化することも考えられるので、今後も注意が必要と言えます。

一方で、日頃から生活のリズムを整えて、病気に負けない体力作りが必要かも知れません。病気に負けない、インフルエンザになっても乗り越えられる基礎体力をつけることは、これからの子供たちにとって、とても重要なことです。

おねしょの薬

薬局から No Comments

今日のお話は小さいお子さんというよりは、小学校から中学生ぐらいのお子さんを対象としたお話です。

:???:
おねしょは夜尿症(小児夜尿症)とも言いますが、おねしょに効く薬があるのをご存じでしょうか。おしっこを止めるのですから体に悪影響があったり、副作用がありそうな感じがすると思いますが、別に危ないお薬ではありません。

:oops:
キッズプレイスの薬局にはいろいろな方が相談に来られますが、小学生や中学生をお子さんに持つお母さんが、子供のおねしょが治らなくて困っていると相談に来られることがあります。
不思議なことに一度同じような相談があると、立て続けに同じような相談が続くことがあります。少し前には、小学校高学年や中学生になると修学旅行があるので、お母さんが心配されてこれらる時がありました。

:shock:
さて、おねしょの薬ですが、漢方薬に「小建中湯」(しょうけんちゅうとう)というお薬があります。安全なお薬で「おねしょ」に効きます。またこのお薬はおねしょ以外に小さなお子さんの疳の虫(かんのむし)にも用いられます。

小建中湯はお腹を温める効果のある生薬が入っており、さらに麦芽糖が沢山入っています。比較的甘いので、お子さんにも飲みやすい漢方薬です。

:roll:
なぜこの小建中湯がおねしょに効くかといいますと、大人でも冬寒い所にじっとしているとトイレ(おしっこ)に行きたくならないでしょうか。
実は人間にとって体が冷えることは、予想以上に非常事態なことであり、頭で考える意思に関係なくおしっこがしたくなります。

 ヒトは体が冷えると、自律神経が働いて、おしっこを体外に排出して必死で体温を保とうとします。
おしっこが体内に溜まっていると、不要と分かっていても体にとっては保温し続けなければならず余計なエネルギーを浪費することになります。このエネルギーの浪費をくいとめるために、いらないおしっこを体外に出そうとします。これが寝てる時に起これば「おねしょ」になります。
 つまり、寝ているときにお子さんの体が冷えると(または冷えやすい体質の場合)、体温を保とうとして自然とおねしょが出るわけです。冒頭でおねしょを夜尿症とも書くといいましたが、むしろ病気ではなくて自然な体の反応とも言えます(もちろん体が虚弱で冷えやすい体質の場合は、反射的というより病的なおねしょが続きます)。

:grin:
小建中湯というお薬は、麦芽糖で体にエネルギーを補給しつつ、生薬成分が体内から体をを温めることによって、おしっこの排せつを防止します。エネルギーが供給され、体がポカポカしていれば、体にとっておしっこを外に出す必要もなく、おねしょも無くなるわけです。

少し回りくどかったかも知れませんが、こんなお薬もあるというミニ知識でした。小建中湯は神経の高ぶりを抑える効果のある生薬も入っているので疳の虫にも用いられますが、虚弱体質でお腹が冷えて下痢しやすい人には、子供に限らず大人にも用いられます。

:neutral:
一方、小さいお子さん(4~8才位)の場合は、夜中にトイレに連れて行っておしっこさせると自然とおねしょをしなくなるようです。個人差もありますが、おねしょをする時間は、大体いつも同じ時間のことが多く、例えば、夜9時頃寝るお子さんで、いつも午前12時ぐらいにおねしょをするようでしたら、午後11時ぐらいにトイレに連れて行っておしっこをさせるようにするとよいと思います。

このような習慣づけをおこなっても、おねしょが続くようでしたら、寝ているときにお子さんの体(特にお腹)が冷えないように「腹巻(はらまき)」などを活用するとよいかも知れませんね。
これから暖かくなるとお子さんが布団を脱いで寝てしまうことが多くなると思いますが、こんな時、腹巻は何かと重宝します。参考までに、以前書いた「はらまき」の記事がありますので、よろしかったらこちらをご覧ください。

:wink:
大人でも(特に女性)子供でも体が冷えると虚弱体質に移行したり、いろいろな病気に罹りやすくなるので注意して下さいね。

誕生日カード

薬局から No Comments

:grin:
どこの保育園でも同じように行われていると思うのですが、キッズプレイスの保育園でも毎月お誕生日会があります。キッズプレイスでも、誕生月にあたる子供たちには、お誕生日会の時に園より顔写真入りのお誕生日の本をさしあげています。

:oops:
実は昨日、お誕生日会ではなかったのですが、たまたま私(カンポウ先生)の誕生日でして、キッズプレイスの保育士の先生方よりお手製の誕生日カードを頂きました。誰が自分の誕生日を漏らしたのかなと思いつつ、恥ずかしいやら嬉しいやらで、頂いた誕生日カードは自宅に大切に飾らせて頂くことにしました。(先生方ありがとうございました。この場を借りてお礼申し上げます。)

:???:
冒頭から私的な話題で申し訳ありませんでしたが、ブログをご覧の皆さんは占いに興味がありますでしょうか。お子さんをお持ちのお母さんであれば、お子さんの将来が気になると思います。

誕生日から運勢を占う方法は西洋と東洋で見方が異なり、いろいろな占い方があり、それぞれに特徴があるようです。私はその道の専門家ではありませんが、学生時代にちょっとしたことから手相に興味を持ち、よく飲み会などで友人の手相を見て好評を博していました。その他の占い方法はよく分かりませんが、こと職業については西洋占星術(ホロスコープ)がよく当たるようです。正確にいえば、生年月日とホロスコープで占った職業運は有意に相関するそうで(統計学的に見て、両者の間に関係性が認められるようです)、むかしそのように聞いたことがあります。

インターネットなどでは生年月日から適職を占う怪しげな有料サイトなどがあるようですが、私はこのようなサイトの利用はお勧め致しません。できれば街頭で沢山の経験を積まれた占い師の方の方が、ちゃんといろいろなことを教えてくれると思います。いつかホロスコープの占い師の方にお子さんの運勢を占ってもらう機会があれば、適職について聞いてみると面白いかも知れません。

:shock:
 アメリカではBFO(バラク・フセイン・オバマ・Jr)氏が大統領に就任しましたが、オバマ大統領の生年月日は1961年8月4日で、しし座の生まれだそうです。しし座はその名の示す通り、百獣の王のごとく、自ら率先して集団を率いる能力に優れているそうで、政治家は「天職」となります。そのようなこともあり、オバマ大統領はしし座の天分を活かしてリーダーシップを発揮し、アメリカをグイグイと引っ張っていくのではないかと期待されます。歴史上の人物としては、ジュリアス・シーザーやフランス皇帝のナポレオン、キューバのカストロ議長などがしし座生まれとなります。

 しし座のオバマ大統領が政治家を目指したように、占いの示す天職をお子さんが選んだとしたら、それはきっと生まれ持った力を最大限に発揮できるかもしれません。小さなお子さんが大人になるのはまだまだ先の話ですが、参考にしてみるのも面白いかも知れませんね。

:???:
なお、「占いは信じるところに占いがある」と言うように、占いだけを妄信することは決してよくありません。人間は占いで見る「宿命」的なもののみで生きるのではなく、いくらでも努力して自らの「運命」を切り開くことが出来るからです。また様々な可能性のある子供たちに型をはめるような将来の方向付けは、無限にあるお子さんの潜在的能力を否定することにもなりかねず、お子さん本人のみならず世の中にとっても大きな損失になりかねません。つまり親バカも行き過ぎると、将来私たちを救うかもしれない未来の救世主を失うことにもなりかねず(少し大げさでしょうか…)、そうなれば人類にとってマイナスですね。枠にはめるのではなく、自分の可能性に気付かせるような導きが必要なのかも知れません。

« Previous Entries