氷で顎(あご)を鍛える
久しぶりにキッズプレイスの薬局から、(ひょっとしたら)子育てに役立つかも知れない?話題をひとつ書かせて頂きます。
後で知ったことですが、以前私が書かせて頂いた記事がOKwaveなどで参照されているようです。気楽に書いたつもりでもネットの世界では知らぬ間に参照されることも起こりえますので、ちゃんとした論文などを調べて出典を書いた方がいいかな…、とも思います。
しかし今は単純に忙しいので、そのようなことはやめます(笑)。
ちなみに、しっかりとした医学文献などを調べたり、また読んでみたい方は、(私も昔よく使っていましたが、)ほとんど英語になりますが米国立医学図書館のPubMedなどが無料で使えてお勧めです。世界中の医学、薬学、生物学etc.の文献を参照でき、最新の遺伝子配列情報なども検索できます。
冒頭話が脇道にそれてしまいましたが、閑話休題です。私の娘は3歳になりますが、冷蔵庫で作った「角氷」を食べることが大好きです。ただ水を凍らせただけで何の味もしない氷ですが、歯ごたえが堪らないのか大好物で(2?3才くらい小さい子は好きな子が多いようです)、アンパンマンのコップで沢山角氷の入った麦茶を飲むことが風呂あがりの娘の毎日の日課となっています。
あまり与え過ぎてはいけないと考えて、与えないでいると20?30分泣き叫んで抗議するので、こちらも根負けして氷をあげてしまいます。
最近では親の目を盗んで、自分で冷蔵庫の製氷室をあけて勝手に盗み食いする始末です
親としてはこのまま氷を与え続けていて大丈夫か…、氷を食べ過ぎると体が冷えて胃腸が弱くなるのではないかと心配になります。
しかし娘が氷を食べている音を聞くと、カリ、コリと、とても心地よい音がします(笑)。
話が変わりますが、娘の顎のあたりを手で触ると、顎が鋭角です(尖っています)。これは成長すると顎が小さくなる可能性があります。(顎が大きくなる子供は顎の先端が尖っておらず、丸みを帯びているので区別が付きます。この辺の区別の付かない方は歯医者さんで調べてもらうと良いと思います)。
つまり娘は、親(私
当然ながら歯並びの悪さは容姿的にも良いものではありませんが、事はそれだけでは済みません。
歯並びが悪いと歯の隙間に食べ物のかすが貯まりやすいため虫歯の進行を速め、歯槽膿漏の原因となりかねません。また歯のかみ合わせが悪くなることによって、将来、「背骨」が曲がるリスクが高まります
背骨が曲がるとバランスのとれた筋肉の発達が望めず、余計な筋肉の緊張を招くことになり将来「頭痛持ち」の原因にもなりかねません
しかし「顎が小さいこと」によって一番怖いことは、将来的に睡眠時無呼吸症になるリスクが高まることです。
顎が小さいと寝ているときに舌(ベロ)が喉の奥に落ち込みやすくなり、空気の通り道が狭くなって呼吸困難(睡眠時無呼吸症)を招きやすくなります。この睡眠時無呼吸症については、医学的な研究が進んでおり、この「病気」になりやすいのは肥満体質に加えて、「顎が小さい人」と言われています。
睡眠時無呼吸症になるといくらたっぷり寝ても疲れが取れません、またいつも日中眠たいため集中力も低下してきます。重症になると昼間でも突然、瞬間的に寝てしまうことがあります
?小さな子どもの場合は睡眠時無呼吸症を考える必要はありませんが、お子さんが成長するに従って発症のリスクが高まります(若年性肥満が加わるとリスクがさらに高まると考えられます)。高校や大学ぐらいであれば、当然学校の成績にも影響が出ることが考えられます。また将来的に上の例のように命に危険を及ぼすことも起り得ます。
顎の小さいお子さんにとっては、特に永久歯が生える前に顎をシッカリと鍛えて少しでも顎を大きくしておくことは大切なことと言えます。
このような背景もあり、私は自分の考え方をあっさり変えてしまいました
ひょっとしたら「顎」を鍛えるために有効ではないかと思って皆さんにもお勧めしたいのですが、顎の小さい3歳くらいまでのお子さんには「角氷」を与えてみてはいかがでしょうか
1.5cm角の氷ぐらいの大きさになると、大人でも奥歯で「ガッリ」と砕くしかありません。これは顎を鍛えるにはちょうど良い刺激になります。硬いお煎餅や「皮付きのスルメ」を与えるという手もありますが、氷であれば歯垢が溜まることもなく、夏場ではちょうど良い水分補給にもなります。それに角氷はお煎餅やスルメと違ってほとんどコストがかからず、お腹が膨れることがありませんから比較的いつでも与えられます。
問題点として、お子さんが角氷を嫌いだと役に立ちませんが、スポーツドリンクなどを凍らせて角氷を作ると、味が付いてカリコリ食べれるかもしれませんね。
この夏は9月を過ぎても残暑が厳しいらしいので、娘には角氷を沢山あげようと思います(笑)。
ここで若干専門的な私論を書かせていただきます
。顎が小さい人で睡眠時無呼吸症の症状がない人も沢山いると思いますが、そのような人は寝ている時に上側ではなく右向きや左向きなど、どちらかを横を向いて寝ていることが多い人ではないかと思われます。枕や布団などの寝具があっているかどうかにもよりますが、このような寝方が習慣になると背骨が曲がりやすくなるのではないかと私は考えています。つまり顎が小さくて背骨が曲がる原因の一つとして、睡眠中に安定して呼吸を確保しようとして無意識に横向きで(決まった方向を向いて)眠る癖がつき、このために背骨が徐々に変形していくように思えます。 この仮が正しいかどうかはきょうみのあるところであり、今後の専門家の研究結果を待ちたいと思います 。