PM2.5の思わぬ副作用について

2013年6月14日

こんにちは、 今日は久しぶりにキッズプレイスのブログに書き込みをさせて頂きます。お題はPM2.5の思わぬ副作用についてです。

PM2.5の思わぬ副作用について
福岡市では隣国からPM2.5が飛来するため、福岡市が市民に警戒を呼びかけています。しかし、この警戒により思わぬ副作用が現れています。私の薬局でも今年は3月以降、アレルギー性鼻炎、アレルギー性慢性気管支(喘息)など患者さんが増えています。

ダニ・アレルギーが増えている
私は敢えてアトピーの患者さんに「できるだけ晴れた日は布団や枕を干して下さい」と指導しているのですが、それでもみなさん異口同音に「PM2.5が飛来しているから窓を開けたり、布団や枕、敷パッドなどは外に干さない」という方がほとんどです。特に福岡市ではPM2.5の数値が高い場合、外出を控えるように促していますので、PM2.5による汚染を恐れるお母さん方の気持ちはとても良く分かります。
でも、布団を干したり換気をしないと家の中でダニが爆発的に増え、今まで気にするほどではなかった方がアレルギー性鼻炎、アレルギー性慢性気管支(喘息)、アトピーなどのアレルギー疾患を発症されています。そうして相談に来られる患者さんが増えています。

特に今年にこの傾向が強い
そしてこの傾向は今年になり特にPM2.5の影響がマスコミで取りざたされるようになってから顕著です。いつもなら3月の花粉症シーズンを終えると、鼻炎などで来店される患者さんが減るはずなのですが、今年は4月以降増える傾向にあり、例年にない事態(異常事態)が続いています。

PM2.5を気にしすぎない
PM2.5が日本に飛来してくることは残念であり、PM2.5の発生そのものを止める必要がありますが、まだ当分このような状態が続くと思われます。それと同時にPM2.5を受け止める側も過敏に反応し過ぎてはいけないと思います。
PM2.5については研究結果を待たないといけないのですが、2~3か月程度の期間で日本に飛来するレベルのPM2.5を吸っても体に直ちに影響はないはずなのですが、PM2.5を気にして家を閉め切ったり布団を干さないと、室内でダニが増えてアレルギーを助長する結果となります。
ダニが増える理由は、室内での湿度が上がるためです。ダニは50%を切ると乾燥して死にますが、寝汗で湿った布団や枕、また閉め切った室内では湿度上昇と共に爆発的に増えてしまいます。
ダニが増えると体はそれを異物と認識して抗体(IgE抗体)を作り、限界点を超えるとアレルギーが引き起こされます。
そして最悪なことに、今の住環境ではダニが1年じゅう繁殖しやすいため、一旦、ダニ・アレルギーを発症すると、一年を通して症状が出ることになります。このことは、一度発症するとずっとアレルギー性鼻炎、アレルギー性慢性気管支(喘息)、アトピーなどの症状で苦しむ結果となります。
またこれらの症状はメカニズムが同じであるが故に(主にI型アレルギー反応、即時型アレルギー反応とも言います)、交互に症状が入れ替わったり、同時に3つ発症することもあります。

かつての日本も大気汚染がひどかった
かつて昭和40年代ごろ、高度経済成長期の日本も公害で苦しみました。私の薬局には福岡市にありますが、福岡市に隣接する北九州市では、洞海湾の汚染や光化学スモッグや煤煙による公害が問題となりました。当時の北九州市も今の●国の首都と同等以上の汚染があり、気管支喘息の患者さんが増えたことは事実ですが、現在、日本に飛来するPM2.5のレベル程度で直ぐに喘息を発症することは考えられません。
むしろ危ないのは、PM2.5を気にして部屋の中のダニの量を知らず知らずにうちに増やしてしまい、ダニ・アレルギーを原因としてアレルギー性鼻炎、アレルギー性慢性気管支(喘息)、アトピーなどの症状を発症することです

技術の進歩によりPM2.5のような微細粒子の正確な係数が可能となり、数年前よりデータがとられるようになりましたが、PM2.5そのものよりPM2.5を気にしすぎてダニ・アレルギーになる方が厄介であることを忘れないでほしいと思います。

もしアレルギーになったら
アレルギー(ここではI型アレルギー反応に焦点をあてます)は体の防衛本能として起こるため、誰でもアレルギーは起こり得ます。つまり、アレルギー性鼻炎、アレルギー性慢性気管支(喘息)、アトピーなどのアレルギー症状は、体が自分自身を守ろうとして免疫が暴走している状態と言えます。
この暴走を根本的に元に戻す方法は私の知る限り3つありますが、その中の1つが漢方薬を用いる方法です(漢方薬ではよく「体質改善」と言いますが、漢方薬には体の免疫機能を液性免疫(ヘルパーT2優位)から細胞性免疫(ヘルパーT1優位)へ変える力があるようです)。漢方薬による治療はおよそ1年~1年半かかりますが、一旦治ってしまうと、再発が起こりにくい(ほぼ一生再発しない)という特徴があります。また漢方薬による治療は根本治療であり、体の免疫機能の暴走により大量に作られていたIgE抗体が検出限界もしくは正常レベルまで戻ります
難しい話はともかく、漢方薬でアレルギーを治す場合は、アレルギーに対する知識、使う処方および剤形が非常に重要なポイントになります。つまり処方を行う医師や薬剤師のテクニックが大いにものを言う事になるのですが、残念なことに、その先生の腕が確かかどうかについては1年程度経たないと分かりません。ですので最初に十分に話をされることをお勧めいたします。